トヨタ「新型“SUV”ミニバン」まもなく登場!? 画期的「斬新ドア」×超タフな「カクカクデザイン」がカッコイイ! 市販化へ前進の「X-VAN GEAR」とは

トヨタ車体は2023年10月に、ミニバンとSUVをかけ合わせた意欲的なモデルを公開し、大いに注目を浴びました。そして2024年3月には、このモデルらしき意匠が登録され、市販化が実現するのではないかとにわかに話題になっています。

「SUV×ミニバン」のニューモデル まさかの登場か!?

 昨今のアウトドアレジャー人気からSUVが支持され定番化。対するミニバンも多人数乗車ができ、荷物も積めることから長年人気を保っています。
 
 しかし、これらを融合させた「SUVミニバン」は爆発的ヒットの予感を感じさせつつも、ほとんどラインナップされません。そんななか、トヨタ車体は次世代のSUVミニバンの姿を示すコンセプトカーを公開し、その実現に向けて期待が高まっています。

斬新スライドドアを搭載した「クロスバン ギア コンセプト」
斬新スライドドアを搭載した「クロスバン ギア コンセプト」

 2023年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2023(以下JMS2023)」でトヨタ車体は、コンセプトカー「X-VAN GEAR CONCEPT(クロスバン ギア コンセプト、以下クロスバン ギア)」を世界初公開しました。

 トヨタ車体によると「多様化するライフスタイルに合わせ、すべての人が人生を楽しむ次世代のキャブワゴン」としており、ミニバンの利便性にSUVの頼もしさを組み合わせたモデルです。

 ボディサイズは全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mm。室内は長さ2965mm×幅1550m×高さ1340mm。

 このサイズはトヨタの主力ミディアムサイズミニバン「ノア/ヴォクシー」の現行モデルとは全長・全高ともにほぼ同サイズで、街中でも扱いやすいちょうどよいサイズとなっています。

 エクステリアは角張ったボクシーなボディに、無塗装樹脂バンパーやワイドな前後フェンダー、ロッカーパネルを装備し、本格四輪駆動車のような堅牢さを表現。

 水平のボンネットや切り立ったフロントガラスなどは、視界の良さを確保し、オフロードにおいて車両姿勢の把握に役立ちそうなデザインとなっています。

 最低地上高は不明なものの、ノア/ヴォクシーなどよりも大幅に高められているようで、走破性能も十分に確保されていると予想できます。

 インテリアは、ブルーとライトグレーの明るいカラーを基調とし、モダンな印象。ルーフはパノラマルーフとなっており、アウトドアレジャーで大自然を満喫できるようになっています。

 シート配列も独特で、ロングスライド機構を持つ助手席は回転・折りたたみ機構を搭載しているほか、2列目シートバックにはテーブルを備え、ベンチシートとなっている3列目の乗員が快適に過ごせる空間に設計されました。

 そしてクロスバン ギアの最大の特徴は、前後ドアがピラーレスの両開きになっていることです。

 フロントはアイシン製の「リンクドア」を採用し、レールがなく外側に開いてスライド。リアドアは通常のレール付きスライドドアを組み合わせています。

 これにより、室内への乗り込みが容易になるとともに、自転車のような大きなギアや釣り竿・サーフボードなどの長尺物も楽々と積み下ろしが可能で、ユーザー自身でさまざまな使い方ができます。

 このように、現在までに販売されたどのミニバンにも似つかない特徴的なデザインとなっており、トヨタとしては初のSUVミニバンになるのではないかと注目されています。

 唯一ライバル車として存在するのが三菱「デリカD:5」で、こちらは2007年の登場から長年にわたって根強いファンを獲得しています。

 JMS2023のトヨタ車体ブース担当者によれば、市販化について「反響次第では市販化に向けてトヨタ自動車本体へと提案するかもしれません」と話していました。

 それから5ヶ月後の2024年3月、特許庁はトヨタ車体がこのクロスバン ギアのような意匠を登録したと公表しました。

 コンセプトカーの意匠登録は珍しいものではないとはいえども、市販モデルは基本的に意匠登録のプロセスを経るため、実現への機運が高まっているといえます。

 意匠を見るとコンセプトモデルから若干の変更があったようで、Cピラー付近がやや簡素化。インテリアの詳細は不明となっていますが、ピラーレスドアなどはそのままとなっており、クロスバン ギアの特徴はそのまま活かされています。

 公開時、多くの来場者などから大きな注目を浴びたモデルということもあり、今後の展開について、ますます期待が高まるばかりです。

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