軽自動車を得意とすることで知られるダイハツですが、2017年に開催された第45回東京モーターショーで、普通車枠モデルで発表されたのが「DNコンパーノ」というモデルです。

　その美しい姿には、今でも多くの反響が集まっています。

　コンパーノとは1963年にダイハツが初めて普通乗用車市場に投入した第1弾の車名で、DNコンパーノはその初代コンパーノをオマージュしたもの。初代コンパーノを装うイタリアンデザインを彷彿とさせるスタイリッシュなフォルムが印象的な1台に仕上がっていました。

　このDNコンパーノは一見すると2ドアクーペにも見えるスタイルですが、実は4ドアモデル。エクステリアデザインは、先進性を感じさせるものでありながらも、初代コンパーノから受け継ぐフロントグリルを備えるなど、新旧をミックスした絶妙なデザインとなっています。

　コンセプトはアクティブシニアのためのコンパクト4ドアクーペとされ、フロント優先のパッケージング。

　ボディサイズは全長4200mm×全幅1695mm×全高1430mm。パワートレインはトールやロッキーに搭載されている直列3気筒の1リッターターボのほか、1.2リッターのハイブリッドも搭載できるとされており、前輪駆動レイアウトを持ちトランスミッションはCVTということでした。

　一方のインテリアは、初代コンパーノを思わせる丸型の2連アナログメーターを備えながら、センター部分にはモニターを設置、アームレストを兼ねたセンターコンソール先端にはモニターを操作するためと思われるロータリースイッチや電動パーキングブレーキのスイッチが備わり、こちらもエクステリア同様に新しさとクラシカルさが共存した空間となっていました。

　非常に魅力的なモデルではありましたが、当時からダイハツはこのモデルはあくまでコンセプトモデルで市販化の予定はないとアナウンスされており、実際現在まで同様のコンセプトのモデルは生まれていません。

　そんなDNコンパーノには今でも多くの反響が集まっています。「リヤの造形が仏車っぽくてカッコいい」などデザインを称賛する声や、「お洒落なシニア夫婦に似合いそう」、「市販化されたら母にプレゼントする」、「リタイヤしたらこの車で、夫婦で日本中をドライブしたい」など、高齢な方にこそ似合うといった声が見られました。

　市販化こそないと否定されたものの、今でも多くの期待が集まるDNコンパーノ。ダイハツの今後の展開に期待が集まります。