なぜ「背の低いミニバン」姿消す? 昔は各社の定番モデルだったのに! イマは全高170cm以上の「背の高いミニバン」ばかり… 理由は?

かつて日本のミニバン市場には、背の低いヒンジドアのミニバンと背の高いスライドドアのミニバンが存在しました。近年では2021年にトヨタ「プリウスα」が終了してから背の低いミニバンは新たに登場していませんが、なぜなのでしょうか。

使い勝手はよかったのに…定番だった背の低いミニバンはなぜ消えた?

 ミニバンといえば、背の高いトール型ミニバンを思い浮かべる人が大多数でしょう。

 しかし以前は、ロールーフ型とも呼ばれる背の低いミニバンもたくさん存在していました。

 なぜ近年のラインナップは背の高いミニバンがほとんどなのでしょうか。

現在も全高1700mm以下のミニバンを販売するホンダ(画像はオデッセイ)
現在も全高1700mm以下のミニバンを販売するホンダ(画像はオデッセイ)

 いつの間にか、背の低いミニバンはほとんど見なくなり、現在はトヨタ「シエンタ」、「ノア/ヴォクシー」、「アルファード/ヴェルファイア」、「グランエース」。

 ホンダ「フリード」、「ステップワゴン」や、日産「セレナ」、「エルグランド」や三菱「デリカD:5」といった全高1700mm以上のミニバンが主流です。

 なぜ全高1700mm以下の背の低いミニバンは姿を消したのでしょうか。

 ロールーフ型ミニバンの人気の火付け役は、1994年に登場した初代ホンダ「オデッセイ」(全高1660mm-1690mm)でした。

 各メーカーはオデッセイの対抗馬として乗用ミニバン開発へ本格的に着手し、トヨタからは「イプサム」「ウィッシュ」「アイシス」「プリウスα」などが登場。

 日産で有名なのは「ラフェスタ」「プレサージュ」。マツダには「プレマシー」「MPV」が存在し、三菱には「グランディス」、スバルには「エクシーガ」がありました。

 長らく市場にはロールーフ型とトール型のミニバンが共存していました。

 しかし徐々にトール型ミニバンに人気が移り、それに従ってほとんどのメーカーがロールーフ型ミニバン開発に見切りをつけます。

 オデッセイを擁するホンダは「ストリーム」に加え、実質的な後継といえる「ジェイド」を2020年まで販売。

 現在もオデッセイを販売するなど、ホンダは各メーカーのなかで最後まで背の低いミニバンの開発にこだわっていたメーカーです。

背の低いヒンジドアのミニバンはなぜ姿を消してしまったのか?(画像はホンダ「ジェイド」)
背の低いヒンジドアのミニバンはなぜ姿を消してしまったのか?(画像はホンダ「ジェイド」)

 ロールーフ型とトール型のミニバンでは具体的に何が違うのでしょうか。ボディサイズと室内寸法の違いから比べてみましょう。

 オデッセイの対抗馬として2001年〜2009年まで販売された2代目イプサムのボディサイズは、全長4650mm×全幅1760mm×全高1660mm。室内寸法は、長さ2755mm×幅1505mm×高さ1250mmです。

 2003年〜2008年まで販売されたセダン並に低い全高が特徴の3代目オデッセイのボディサイズは、全長4765mm×全幅1800mm×全高1550mm、室内寸法は、長さ2790mm×幅1535mm×高さ1220mmとなります。

 これに対して、現行型のノアとステップワゴンのボディ全高は1895mmと1840mm。室内高はノア1405mm、ステップワゴンが1410mmです。

 こうして比較すると、全高や室内高は200mmほどの違いしかないことがわかります。

 しかし車内の頭上空間は、室内幅の広さよりも開放感に直結するため数値以上に大きな影響があります。

 またロールーフ型ミニバンの多くはヒンジドアであり、日常的な使い勝手では電動スライドドアが備わるトール型ミニバンに軍配が挙がるのは誰もが知るところでしょう。

 快適性と利便性に的を絞れば、トール型ミニバンの方が明らかに勝るようです。これがロールーフ型ミニバンが消滅した理由なのでしょうか。

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