なぜ「背の低いミニバン」姿消す? 昔は各社の定番モデルだったのに! イマは全高170cm以上の「背の高いミニバン」ばかり… 理由は?

背の低いミニバンが消滅したのは必然! 今後人気が復活する可能性は?

 ロールーフ型ミニバンが、トール型ミニバンにとって代わられたことについて、トヨタ広報部の担当者は次のように話します。

「イプサムやウィッシュを始めとする背の低いミニバンを様々なライフスタイルにスマートに対応できるクルマとして、ライフステージにかかわらず幅広いお客様に受け入れられていました。

 しかし時代のニーズやデザインのトレンド、市場動向が変化したため、背の低いミニバンの販売数は少なくなっていきました。

 代わりに『乗り降りしやすいスライドドア』や『多くの人/荷物を載せられる広い車内空間』などのミニバンにしか実現できない嬉しさを、ファミリー層を中心にした背の高いミニバンの需要が大きくなりました」

 つまり、現在に至るまでのこうしたミニバン市場の変化は、時代や環境変化における自然淘汰と言えるでしょう。

 またロールーフ型ミニバンの消滅には、クルマの技術進歩や日本特有の交通環境も関係しています。

 クルマは全高を高くするほど重心位置も高くなるため、安定性を確保するためにはサスペンションを硬く締め上げなければならず、乗り心地は悪化する傾向にあります。

 高い乗り心地や安定感はロールーフ型ミニバンの数少ない優位な点でした。

インドネシアで販売されるヒンジ式ミニバンのホンダ「モビリオ」は全高1700mm以下
インドネシアで販売されるヒンジ式ミニバンのホンダ「モビリオ」は全高1700mm以下

 そのため、欧州をはじめとする平均速度が高い国では、MPV(マルチ・パーパス・ビークル)と呼ばれるロールーフ型ミニバンに近いクルマが今でも主流です。

 その点、日本は走行速度が低いため、全高がある程度高くとも大きな問題になりません。

 それに加え、以前に比べてプラットフォームやサスペンション、タイヤの進化や車両制御技術の進歩により、現在は背の高いクルマでも乗り心地や直進安定性が確保しやすくなっています。

 こうした理由もあって徐々にロールーフ型ミニバンの存在意義は薄れ、現在は室内空間が広く便利で快適なトール型ミニバンが主流になったようです。

※ ※ ※

 今後、再びロールーフ型ミニバンの人気が再燃する可能性はあるのでしょうか。

 ロールーフ型ミニバンは、快適性と走行性能を両立したい人にはベストなクルマです。しかし、その需要は市場全体でみれば決して多くありません。

 しかも、多人数乗車可能なクロスオーバーSUVで代替可能となっているため、かつてのような人気を取り戻すのは難しいと思われます。

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