クルマを誘導する時に「オーライ!」って言うのはなぜ? いつから使われている? 納得の理由とは?
繰り返し大きな声を出すなら「オーライ」がベスト!?
まずは言語学的な視点から見てみましょう。
「オーライ」の「オ」は「ラ」は、発音する際の舌の位置や唇の開き方が近く、口の動きの変化が比較的小さい単語です。
そのため、繰り返し発音しても疲れにくく、滑舌があまり良くない人でも発音しやすいというメリットがあります。
また、「オ」も「ラ」も口を大きく開けて発音するため、大きな声を出しやすいという特徴もあります。
ただ、「大丈夫」は音が多いために口の動きが複雑となりやすく、繰り返し大きな声を出すのにはあまり適していません。
「よし」は、縦に大きく口を開く「よ」と横に大きく口を開く「し」という組み合わせであるため発声時の負担が大きく、やはり誘導には不向きです。
さらに、「し」では大きな声を出しにくいという点もネックとなります。
「オーケー(オッケー)」は、「大丈夫」や「よし」と比べて発声しやすいと考えられますが、「ケ」の発音がやや負担になりやすいと考えられます。
このように、繰り返し大きな声を出すことを前提とすると、やはり「オーライ」がもっとも適していると言えそうです。
一方、クルマの構造という面から考えてみましょう。
かつてのクルマは、サイレンサー(消音器)の性能などが現代と比べて十分でなかったため、ドライバーは爆音のなかで運転することが一般的でした。
また、運転に際しても高度なスキルが必要であったことから、誘導する際には繰り返し大きな声を出す必要があったものと考えられます。
その後、クルマ自体が出す騒音は低減されていきましたが、今度は防音性能が進化したことで、窓を締めた状態では誘導の声が十分に聞こえない可能性が生じました。
つまり、クルマの構造が変化したにもかかわらず、繰り返し大きな声を出して誘導しなければならないことは変化しなかったわけです。
その結果、時代が変わっても「オーライ」が使用され続け、現代にいたったものと考えられています。
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近年では、バックカメラやセンサー、衝突被害軽減ブレーキを装着したクルマが増えたことから、駐車場内などでの事故も減少傾向にあるようです。
一方、安全運転支援システムも万全ではないため、誘導スタッフからの指示に従うことはもちろん、ドライバー自身の目視による確認は必ずおこなうようにしましょう。
歌手のコロンビアロ-ズさんが昭和35年頃、東京のバスガ-ルって歌、謡ったのが始まり 発車オ-ライ!って。古くて知らない?失礼しました
車両誘導の「オーライ」は、かなり昔から使われて居た様だが、一般に広く浸透したのは1957年発売の「東京のバスガール」と言う流行曲を措いて他に有るまい。曲のヒットと共に「オーライ」の掛け声と、バスガールの認知度は急速に広がったものと考えられる。当時のバスガール(ボーイも存在)は、バックの誘導の際は「バックオーライ」、発車の際は「発車オーライ」を掛け声とするが、車外からの誘導の際は一般的に「笛」を多用した様だ(全てでは無い)。今のような後部センサーや、バックカメラなどない時代だ。有っても、リアアンダーミラー程度で有り、補助での目視誘導は欠かせない。一般には車内後部に陣取り「バックオーライ」を行って居たものと考えられる(全てでは無い)。