クルマを誘導する時に「オーライ!」って言うのはなぜ? いつから使われている? 納得の理由とは?
クルマを誘導する際に使用される「オーライ」という掛け声ですが、実は長い歴史がある言葉のようです。一体「オーライ」にはどのような意味があり、なぜ長きにわたって使用され続けているのでしょうか?
「オーライ!」の掛け声はいつから使われている?
2024年の夏も多くの観光地で混雑が予想されていますが、当然のことながら、観光地付近の駐車場やガソリンスタンドも多くのユーザーでにぎわうことは確実です。
混み合う駐車場やガソリンスタンドでは、ユーザー同士の事故やトラブルを避けるために誘導スタッフが配置されることが一般的です。
そんな誘導スタッフが発する定番の掛け声と言えば、やはり「オーライ」をおいてほかにはありません。

実は、日本における「オーライ」という掛け声の歴史は古く、1929年に発表された辰野九紫のよる小説『青バスの女』には次のような文章が見られます。
「まだ他にいろいろの事情がありまして、私は青バスに入りました。これでも英語を知らない癖に、ストップ、オーライなんて、生意気な用語を使っています」
ここでいう「青バス」とは、青(現代でいう深緑)のボディがトレードマークとなっていた「東京乗合自動車」というバス会社のことであり、小説の登場人物はバスを誘導するのに「オーライ」という言葉を使っていたことがわかります。
この小説の一文からもわかるように、「オーライ」は英語に由来しており、具体的には「大丈夫」を意味する「all right(オールライト)」が日本語風に変化したものとされています。
このように、クルマなどの誘導における「オーライ」には100年にもおよぶ長い歴史があるようです。
実際、現在ではクルマの誘導にはほとんどの場合で「オーライ」が用いられており、日本人のカーライフにすっかり浸透した言葉となっています。
しかし、なぜ「大丈夫」や「よし」、あるいは「オーケー(オッケー)」といったほかの言葉ではなく、「オーライ」だけが使用され続けているのでしょうか?
そこには、言語学的視点とクルマの構造という、2つの側面から説明することができそうです。


















