クルマから「落ちそうな人形」違反じゃない? 他にも「沢山のぬいぐるみ」問題にはどんな罰則? 元警察官が解説
映画「トイ・ストーリー」に登場するウッディーとバズ・ライトイヤーがクルマの後方にぶら下がっている光景が話題となっています。落下する可能性もありますが、問題ないのでしょうか。
SNSでは「可愛すぎ」「取れたら危ない」などさまざまな反響も
ときどき、映画「トイ・ストーリー」の人形を後部ガラス付近に取り付けたクルマを見かけます。
これは映画のワンシーンを再現した人形ですが、法律上問題はないのでしょうか。
ユーザーの中には、クルマを自分好みにカスタマイズしたいという人も少なくありません。
たとえば車中泊仕様として車内にフラットなスペースを作ったり、好きなアニメのキャラクターをボディにラッピングしたりする事例などがあります。
また、クルマの外側の後部ガラス付近にアニメーション映画「トイ・ストーリー」のキャラクター人形を取り付けているケースもみられます。
これはキャラクターのウッディがバズの腕にぶら下がっている人形で、トイ・ストーリーの名シーンを再現したものです。
ちなみに、この人形はカーアクセサリーとしてインターネットサイトで販売されており、粘着テープでクルマに設置する仕組みです。
この人形に対してSNS上では「前を走るクルマにウッディとバズがいた。可愛すぎる」「目が離せなくなった」「私もクルマに付けたい」など好意的な声が多く寄せられました。
その一方、「固定されているのはバズだけみたいで、クルマが揺れるとウッディが落ちそうでヒヤヒヤした」「万が一人形が取れて後方の車両にぶつかったら危ないのでは?」など懸念する声も聞かれます。
では、このような人形を取り付けることについて法律上問題はあるのでしょうか。
結論から言うと、人形を適切な位置に、なおかつ落下しないよう確実に取り付けていれば交通違反には当たらないものの、設置方法には十分注意しなければいけません。
まず関係する法律として道路交通法第55条第2項が挙げられ、同条では次のように規定しています。
「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」
簡単に言うと運転に支障が出る乗車方法や、ウィンカー・ナンバープレート・ライトが隠れてしまうような積載方法などが禁止されています。
仮にクルマの後部に取り付けた人形によってウィンカーやナンバープレートなどが隠れ、周囲から見えにくい状態であれば、この法令に規定する「乗車積載方法違反」として検挙される可能性があります。
そのため人形を取り付ける位置には気をつけなければいけません。
なお、乗車積載方法違反で検挙されると違反点数1点が累積するほか、普通車で6000円の反則金が科されます。
さらに、道路交通法第71条第4号ではドライバーが守るべき事項について次のように定めています。
「乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。」
つまり人形が転落しないよう、しっかり固定しておく必要もあるといえるでしょう。
また人形が運転中に落下すると後続車両が驚いて事故につながる危険も想定されるため、人形の接着部分の強度をよく確認しておくことが重要です。
そのほかクルマのダッシュボードにたくさんのぬいぐるみやフィギュアを置く行為についても、たびたび問題として指摘されることがあります。
実はあまり知られていませんが、ドライバーの視野を妨げるような状態でぬいぐるみやフィギュアなどを置いていれば、前述の道路交通法第55条第2項に抵触し交通違反に当たる可能性が考えられます。
加えて、クルマの前方にいる小さな子どもや障害物などを確認しづらくなるおそれもあることから、ダッシュボードにはできるだけ物を置かないことが大切です。
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端から見ると微笑ましいウッディとバズの人形ですが、設置方法によっては交通違反に該当するほか、落下すれば後続車を驚かせる原因にもなってしまいます。
SNS上においては「道路上にウッディとバズが落ちていた」という声も寄せられており、取り付ける場合には位置や固定方法に十分な注意を払う必要があるといえるでしょう。
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