VWが攻める!? 2024年は怒涛の新車攻勢! ゴルフやT-Crossなどを相次ぎ導入!? 日本市場での動きは?
フォルクスワーゲンの日本戦略はどうなる?
フォルクスワーゲンが、年内導入を試みる4車種もの新型車を一気に発表した背景には、VWの存在と戦略の改めてアピールするのが狙いでしょう。
日本でのVWの販売は、2019年以降、前年割れを記録し、厳しい状況に置かれています。
その背景には、車両の供給を含めたコロナ過の影響もありますが、2018年の51958台から2023年の32229台と大きく落ち込んでしまいました。
さらにコロナ過以降は、話題性の高いフルモデルチェンジモデルが、2021年6月のゴルフ、同年7月のゴルフヴァリアント、2022年11月のBEVのSUV「ID.4」に限られたことで、話題性に乏しかったことが挙げられます。
主力車のひとつであるゴルフは、コロナ過による車両の供給問題もあったとし、初期売り上げが振るわなかった現実も。
またVWブランドとしても、次世代を担うBEVモデル群「ID」シリーズによる電動化戦略のアピールしたことで、保守的なユーザーも多い日本でのエンジン車の導入もしっかりと行っていくこともアピールしたかったのでしょう。
そのため、今回の発表会では、BEVに関する話題は限られ、将来的にBEVのコンパクトカー「ID.2 all」の導入を検討中であることに留められました。
現在、円安や世界的な物価高騰の影響を受け、輸入車の価格は上昇中です。特に親しみやすいブランドは、価格帯が上昇したことで、買え控えだけでなく、既存のユーザーが国産車を含めた他ブランドへの流出も起きています。
このため、VWも価格面での努力を行っており、発表会で唯一価格を公表したT-Crossも、価格上昇を現状維持から数万円程度に抑えるだけでなく、装備を強化することでコスパを高めています。
今回発表された他モデルでも、日本の現状に適した競争力のある価格を提示するために、ギリギリまで本社との交渉がおこなわれているとしています。
クラスが上昇し、法人ユーザーも強く意識したパサートは、価格上昇も止む無しといった雰囲気ですが、ゴルフとティグアンが、どれほどの価格設定を行ってくるかで、VWの今後を左右するかもしれません。
事実、ゴルフも2023年4月にお買い得仕様の「プラチナムエディション」を追加したことで、年間登録台数が1万台越え、輸入車モデル別登録台数で2位まで回復を見せています。
長年、親しまれてきたVWだけに、堅実なファンも多いだけに、良い商品だけでなく、魅力的な価格である点も重視されます。
それだけに、新型車の価格提示には、VWの未来が掛かっているといっても過言ではないでしょう。
今後の3台は、いずれも9月には予約受注を開始するとしているので、そのタイミングで価格が発表されると見られます。
既に装備や仕様は発表済であるため、T-Cross同様に、最小限の値上げと装備向上によるコスパの良さを示せるかに、注目です。
Writer: 大音安弘(自動車ライター)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。