えっ!「車検」通らなくなる!? “2026年夏”から始まる「ロービーム検査」って何? “延命処置中“に考えたい対策とは

では、ユーザーはどう対応したら良いのか!?

 ここまで記してきた通り、2026年8月にロービーム検査が始まることに変更はありません。

 交換用ヘッドライトがないクルマなど、制度への対応が困難なクルマを調査して対応を検討するとしていますが、どんな対応となるか、また対応自体を行うかどうかも決まっておりません。

 したがって、ユーザーは最悪の事態も考えながら対応を考える必要があります。

「ロービーム検査」の実施により「古いクルマ」を維持するリスクが高まる可能性も[画像はイメージです]
「ロービーム検査」の実施により「古いクルマ」を維持するリスクが高まる可能性も[画像はイメージです]

 まず、ヘッドライトの傷みが激しいクルマは全体の傷みも著しいと考えられますので、そもそもクルマ自体を交換する(乗り換える)方法が考えられます。

 次に、程度の良い中古部品を約2年間をかけて探し、部品があった場合には交換を検討する方法です。

 整備工場だけでなく、ユーザー自身も探す努力をしないと部品が見つからない場合もあります。

 とはいえ2年間もあれば、同型式車で廃車となるクルマもあるかもしれませんから、程度の良い部品が販売されるかもしれません。

 さらに、再生品の発売を待つ方法です。

 一部のクラシックスポーツカーなどは、交換用のヘッドライトレンズがアフターパーツ(社外品)として発売されています。

 またトヨタがA80型スープラのヘッドライトをヘリテージパーツとして販売を開始するなど、人気の旧車はメーカー自身も対応しているケースもあり、今後そうしたレンズのみの新品部品をメーカーがさらに再設定する可能性もあります。

 最後に、あらゆる方法を試すことです。

 現在、多くのカー用品メーカーがヘッドライト市場への対策を行っています。

 これまでは安全な研磨剤と施工しやすいコーティング剤が主流でしたが、本格的な研磨剤とスプレー式のクリアー塗装も現れてきました。施工は難しいかもしれませんが、成功すれば効果は絶大です。

 もちろん、現在使っているクルマのヘッドライトの黄ばみだけでしたら、一度徹底して研磨と再コーティングを試してみる価値はあることでしょう。

 整備工場に依頼する費用を浮かすためとはいえ、研磨剤などの費用にプラスして手間をかける必要がありますし、そんな苦労をしても検査合格レベルにはならないかもしれません。しかし、何もしないよりましです。

※ ※ ※

 ヘッドライトレンズが樹脂になってから、そろそろ25年が経過しようとしています。

 いろいろ苦労をしたユーザーもいるようで、最近ではボンネット部分のみのカバーや、ヘッドライトにタオルをかけてクルマを保管している方も見かけるようになりました。

 カー用品店でも、より高性能なヘッドライト研磨剤やコーティング剤を目にするようになりました。

 2年後以降もヘッドライト問題は続きますから、今のうちからクルマ全体を含めた対策を考えておいた方がよいでしょう。

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