ホンダ新型「フリード」登場! 8年ぶり刷新で“走れるミニバン”へ大進化! 速攻試乗で実感した3つのスゴさとは?

ハイブリッド車とガソリン車で異なる走りの味付けを実施!

 ハイブリッド車で走り出すと、そのシームレスな加速にも進化を実感します。

 新型フリードにはガソリン車とハイブリッド車がありますが、ハイブリッド車はシステムを従来の「SPORT HYBRID i-DCD」から最新の「e:HEV(イー・エイチ・イーブイ)」へと刷新。

 従来モデルはデュアルクラッチ式のトランスミッションを組み合わせたダイレクト感あるシステムで、アクセルを踏み込んでスポーティに走るのを楽しむなら爽快だった一方、新型フリードはモーター走行による滑らかさが魅力。

 新型は高速領域を除いて、エンジンは発電機となって電気を作るのに徹し、その電気でモーターをまわして駆動します。

全面刷新で走りの質が上がったホンダ 新型「フリード」
全面刷新で走りの質が上がったホンダ 新型「フリード」

 考え方として、以前のi-DCDはエンジンが主役でモーターがサブだったのに対し、e:HEVはモーターがメインでエンジンはサポート役に徹しているとイメージすればいいでしょう。

 そんなe:HEVは、運転のスタイルによって印象が違うメリハリのあるパフォーマンスです。

 加速は滑らかなうえに、発進時などはモーター駆動らしい強いトルクでグイッと車体を前へ押し出す感覚が好印象。全体的な加速感としては滑らかさが魅力で、まるでEVのようなシームレスな感覚が快適性にも効きます。

 一方でアクセルを踏み込んで加速する際は疑似的なシフトアップ制御を実施。CVTの無段変速的な加速ではなく、あえて段をつけて人間の感覚に寄り添った加速を実現しています。

「フィット」や「シビック」、そして「ZR-V」のe:HEVなどにも導入されているこの演出はとても爽快です。

 そして驚いたのが減速時の音。「Bレンジ」に入れてアクセルオフで減速すると、従来モデルだとエンジンが唸りをあげて正直うるさい印象でした(これはどのガソリン車も同じ)。しかし新型フリードは強い減速をしながらも音は静かなのです。

 その理由は、従来モデルだとエンジンブレーキを使って減速するのに対して、新型フリードはモーターの回生ブレーキで減速しているから。モーターの役割が大きくなった新型のメリットは、こんなところにも出ているのでした。

 モーターならではの強いトルクが加速をサポートし、スムーズで滑らか。そして音も静か。さらにはアクセルを踏み込むと疑似的なシフトアップ制御による爽快な加速も実現。

 新型フリードのハイブリッドシステム(現行フィットにも採用)は、多くのユーザーにとって歓迎される走りを実現していることも実感できました。

 ハイブリッドがそこまで好印象だと、ガソリン車(非ハイブリッド車)は「ハイブリッドよりも安いから選ぶ」という存在に思えるかもしれません。

 正直なところ筆者もガソリン車の存在感はそういう印象です。でも実際に乗ってみたらそれだけではないことに気が付きました。

 ハイブリッド車に対するガソリン車の長所は、軽快な走りを味わえることです。右に左へと曲がるのを繰り返しながら走るワインディングロードで運転が楽しいのはハイブリッドよりもガソリン車。身のこなしがいいのです。

 その理由はハイブリッド車に対して約100キログラム車両重量が軽いことも大きいですが、加えて、ハンドリングもよりキビキビと走れるように味付けされているから。

 軽快に走るならガソリン車、しっとりと楽しむならハイブリッド車といったように、運転好きや運転の感度が高い人であれば、パワートレインによって乗り味の方向が異なるのを実感できることでしょう。

 いずれにせよ、新型フリードは走りの面でもしっかりと進化しています。

 車体は小さくとも高速巡行でも疲れない、日常からたまの遠出まで頼れるパートナーになれるはずです。

 正直に言うと。今回新型フリードでワインディングロード風のテストコースを走ってみて「フリードってこんなに気持ちよく走れるんだ」と驚きました。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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2件のコメント

  1. 見た目で言えば「鈍重」につきるね
    ホンダのデザインセンスはどうしてここまで後退したのか
    やっぱ軽ばっか作ってっからダメになったのか

    • 鈍重いうならシエンタだろ

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