200万円超え! ホンダ「29年落ち軽トラ」出現! 8万キロ走行“傷アリ”なのになぜ「新車価格」超えた? 5速MT&4WDの「アクティ」が米で高額落札
アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」で新車価格を超える値段で取引された軽トラックとはどのような個体なのでしょうか。
8万キロ超えで状態はそこそこ… なのに200万円超え
2024年6月13日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、ホンダの軽トラック「アクティ」が1万3250ドル(当日レートで約209万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回落札されたのは1995年式アクティで、走行距離は8万3000キロを走行しているとされる個体です。
アクティは1977年に登場した軽商用車・トラックで、MR(ミッドシップ)レイアウトやモノコックボディの採用など、他メーカーの軽トラックとは異なる特徴を持っています。
落札された個体のモデルはそのうち2代目で、1990年に実施されたマイナーチェンジで排気量が550ccから660ccへとアップされた改良型。グレードはスタンダードな「SDX」で4WDのモデルとなっています。
2023年に米国に輸入されたようで、アリゾナ州で登録されているといいます。
エクステリアは多少の傷はあるとはいえ29年経過している点を考慮するとキレイな状態です。
これは米国に輸出されたあとにサンドベージュへ全塗装されたためで、通常は無塗装ブラックのドアミラーやフロントバンパーなども同色で塗装が施された上、梨地のベッドライナーが装着されるなどのカスタムも行われました。
さらに、ホイールは13インチの「ABR」製ホイールに履き替えられ、タイヤはトーヨー「プロクセス R888-R」とモータースポーツ用のハイグリップタイヤを装着。
タイヤサイズは225/45を極めてワイドなものに変更され、車体からはみ出しています。
インテリアはシートの張替えが施工され、グレーのビニールレザーで仕上げられましたが、AMラジオのみ聴取可能なシンプルなデッキや小ぶりなペダル、ラバーマットなどはすべて純正で残存。
インパネやドアトリムなどには割れやスレなどもなく、かなり良好な程度を保っています。
インパネ周りはシンプルで、130km/hのメーターと2本スポークのシンプルなステアリングを装備。
荷台下部のエンジンルーム内は経年なりの汚れが見られますが、サビなどは少なく、これまで良好な環境で使用されてきたようです。
入札は6月7日に696ドルでスタートし、47件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、1万3250ドルで落札。
日本固有の希少な軽トラックであることや、4WDの5速MT車であること、カスタムなどが評価されたのか、約80万円の新車当時の価格をはるかに超えるプライスで取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
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北米では「25年ルール」という決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても製造から25年が経過すればクラシックカーとして登録でき、公道が走行可能になります。
近年は映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、その影響を受けて1980年代から90年代のスポーツカーが輸出され、高値で取り引きされています。
一方で、北米では軽トラの人気が近年著しく高まっており、現地では全長5mを超える大型乗用車が少なくないなかで、4mを切るコンパクトなことや、愛らしい見た目で壊れない点、しかも燃費もよく、荷物もたくさん積むことができるなどが評価され、「JDM kei truck」として親しまれています。
北米では軽トラ専門店も存在しているようで、25年経過した中古の軽トラは今後ますます需要が高まるかもしれません。
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