【解説】スバル「クロストレック」ってどんなクルマ?サイズやエクステリア&インテリアの特徴は? グレード・価格はどうなっている?
スバル「クロストレック」の各スペックや価格、グレードごとのオプション装備の違いを細かくチェックしていきます。
スバル「クロストレック」のサイズやエクステリア&インテリアの特徴は? グレード・価格はどうなっている?
スバル「XV」の後継となる「クロストレック」は、兄弟車である「インプレッサ」やライバルとなる他のクロスオーバーSUVと比べてどのような違いがあるのでしょうか。
クロストレックの各スペックや価格、グレードごとのオプション装備の違いを細かくチェックしていきます。
●グローバルネームに統一された新型クロストレックの歴史
2022年12月に発売された新型クロストレックは6代目インプレッサと車体構造を共有するクロスオーバーSUVモデルです。
スバルでは「XV」や「レガシィ アウトバック」のように、ハッチバックモデルの車高を高めてクロスオーバーSUVに仕立てたモデルが古くから数多く存在します。
1992年に登場した初代インプレッサには5ドアハッチバックモデルをベースに、背面スペアタイヤや前面を保護するカンガルーバーなどが装着された「グラベルEX」というグレードが存在しました。
3代目インプレッサには新グレードとして「インプレッサ XV」が2010年に追加設定。
次期型では独立したモデルとなり、4代目と5代目インプレッサをベースとして誕生した「スバル XV」がクロストレックの前身となります。
新型クロストレックはXVとして3代目に相当し、モデルチェンジを期に北米向けモデルの車名であった「クロストレック」へと変更されました。
先代まではベースとなるインプレッサが先行して登場していましたが、現行型に関してはSUV人気の市場動向を考慮してクロストレックのほうが先に開発された経緯を持ちます。
●取り回しも良好! ボディサイズは新型インプレッサとほぼ同じ
全長×全高×全幅:4480mm×1800mm×1575mm
ホイールベース:2670mm
車体重量:1540〜1580kg
乗車定員:5人
クロストレックのボディサイズは全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mm、ホイールベースは2670mmです。
最低地上高はベースとなるインプレッサよりも70mmほど引き上げられた200mmを確保。フェンダーモールが装着されることで全幅も20mmほど拡大されています。
スバルのベーシックモデルであるインプレッサがそうであるように、クロストレックのボディサイズはCセグメントSUVとしては標準的なサイズです。
最小回転半径はインプレッサよりも0.1mほど大きい5.4mとなっており、取り回しの悪さを感じることは少ないでしょう。
プラットフォームは先代のインプレッサやXVと同じ「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」が継続採用されています。
ただし、車体骨格を組み上げた後に外板を溶接する「フルインナーフレーム構造」を新採用したことで先代よりも剛性を引き上げつつ軽量化することに成功。それにより操縦安定性や乗り心地が大きく改善されています。
●インプレッサよりも力強いエクステリア(外観)! 専用の外装アクセサリーも充実
新型クロストレックはボディ形状を先代からほぼ変えることなく、灯火類の小型化とシャープな意匠のグリルやバンパーへの変更によって、コンセプトはそのままにイメージを一新させています。
一見しただけではインプレッサと同じように見えますが、よく見比べればクロストレックのほうがクリルデザインや前後バンパーデザインがSUVらしい力強いディテールとなっていることがわかるでしょう。
ボディサイドにはクロストレックだけに備わるクラッディング(無塗装樹脂)フェンダーモールが装着され、ホイールも専用デザインです。タイヤはオールシーズンタイヤが標準装備となります。
また、カスタムグリルやフロントノーズガーニッシュなどの純正外装アクセサリーオプションがインプレッサに比べて充実している点もクロストレックならではの魅力です。
ボディカラーは、新色のオフショアブルー・メタリックを含めた全9色。クロストレックはインプレッサと揃って2023年グッドデザイン賞を受賞しています。
クリスタルホワイト・パール
アイスシルバー・メタリック
マグネタイトグレー・メタリック
クリスタルブラック・シリカ
ピュアレッド
サファイアブルー・パール
ホライゾンブルー・パール
オアシスブルー(オプションカラー)
オフショアブルー・メタリック(オプションカラー)
●インテリア(内装)は機能性と安全性が第一! SUVとしての使い勝手も十分
内装デザインはインプレッサと共通となり、インパネ中央に車両システムの設定変更やオーディオ、ナビゲーションシステムなどの機能を集約させた11.6インチの大型ディスプレイが鎮座。これは視線移動を最小限に抑えつつ、操作性を最大限に高めたスバル最新の安全で機能なデザインです。
ただし、インパネ部の化粧パネルはクロストレック専用にカーボン調となっており、細部はしっかりとインプレッサと差別化されています。
さらに新型クロストレックで注目すべきは疲れにくいように改善が施された車内環境です。
大学医学部との共同研究により開発された新型シート骨格は、骨盤の仙骨を押さえることで車体の揺れが頭部へ伝わることを抑制。
さらに、ルーフ構造体の接着に振動を吸収する特殊接着剤を新たに採用し、頭や耳に伝わる不快な振動や雑音を防止します。
もちろんクロスオーバーSUVとしてユーティリティ面にも抜かりはなく、5人乗車時の荷室容量はインプレッサと共通となる315Lを確保。
4:6分割可倒式リアシートを倒した際にもフロア全体をカバーできる防水樹脂製マットもインテリアアクセサリーとして用意されています。
●「アイサイト」だけじゃない新型クロストレックの高い安全性
新型クロストレックには、大幅に性能向上が図られた新世代型「アイサイト」が搭載されます。
従来の約2倍にまで広角化された新型ステレオカメラと、二輪車と歩行者も検知可能な超広角の単眼カメラを組み合わせた3眼カメラに加え、制御ソフトウェア等の改善でより遠くの広い範囲までの監視が可能になっています。
さらに、カメラをフロントガラス取り付け式に変更したことで安定した動作環境を実現したほか、新型電動ブレーキブースターの採用により被害衝突軽減ブレーキの応答速度も高められました。
プラットフォームの改善により、従来から高評価だった衝突安全性もさらに向上。
先代同様に歩行者用エアバッグが装備され、衝突サブフレームを追加により相手側の乗員を守ることにも力が入れられています。
スバルのコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」は、スマートフォンとの連携度合いを高めたほか、走行中の重大事故に際してのサポート機能も強化。
こうした高度な安全装備に加え、良好な運転視界確保や事故を誘発する運転疲労を軽減する総合的な車づくりがスバルの「0次安全」に基づくインテリア設計です。
●e-BOXER(ハイブリッド)で燃費性能を改善! AWDには悪路走破性を高めるX-MODEも
エンジン:水平対向4気筒エンジン+モーター
トランスミッション:リニアトロニック(CVT)
最高出力:107kW(145PS)/6000rpm
最大トルク:188N・m(19.2kgf・m)/4000rpm
モーター最高出力:10kW(13.6PS)
モーター最大トルク:65N・m(6.6kgf・m)
WLTCモード平均燃費:16.4km/L(FF)、15.8km/L(AWD)
新型クロストレックのパワートレインは、全グレード2.0L水平対向エンジンにモーターを組み合わせたスバルのハイブリッドシステム「e-BOXER」が搭載され、駆動方式はFFのと4WDが用意されています。
パワートレイン自体は先代モデルと共通でエンジンスペックも同じですが、モーター制御の見直しなどによりWLTCモード燃費はFFモデルが16.4km/L、AWDモデルが15.8km/Lへと向上しました。
また、新型クロストレックは液体封入式エンジンマウントの特性が変更されるとともに、トランスミッションの振動や騒音を抑制する改良を施されたことで、滑らかな回転上昇が特徴だった水平対向エンジンにさらなる磨きがかけられています。
AWDモデルには、クロスオーバーSUVであるクロストレックの最大の特徴となる「X-MODE」が搭載され、「DEEP SNOW・MUD(深雪・泥)」と「SNOW・DIRT(凍結・土)」の2種類のモードから路面状況に合わせて選択することで、悪路脱出時の駆動力を適切に制御してくれます。
●グレード体系は「ツーリング」と「リミテッド」の2種類のみ
クロストレックのグレードラインナップは、ベーシックグレードの「ツーリング」と、最上級グレードの「リミテッド」のみのシンプルな構成です。
基本構造は共通で、どちらのグレードもe-BOXERエンジンが搭載されFFとAWDが選べるようになっており、それぞれのグレードの違いは内外装の細かな装飾の違いと、装備の違いのみです。
フルオートエアコンや、キーレスアクセス&プッシュスタートなど必要最低限とも言える装備はツーリングにも装備されているため、必要となる快適装備に応じてグレードを選び分けるとよいでしょう。
新型インプレッサには、装備が限定される代わりに安価で軽量な純ガソリンエンジングレード「ST」の設定がありますが、クロストレックで選べるのはハイブリッドエンジンを搭載したe-BOXERのみです。
●おすすめグレードはどっち? 装備差や装着オプションの違い
「ツーリング」は最低限の装備が備わるもののの、快適装備のほとんどがオプションとなっているベーシックグレード。「リミテッド」ほとんどのオプションが標準装備となる上級グレードです。
しかし、ほとんどの装備が「ツーリング」にもオプション装着可能となっているため、グレードによる装備差にそれほど大きくありません。
ただし差額を考慮すれば「リミテッド」の方がコストパフォーマンスは高いと言えます。
「リミテッド」にしか備わらない装備品およびオプション設定は以下の通りです。
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・アルミパッド付スポーツペダル
・LEDリヤゲートランプ
・自動防眩ルームミラー
・サンルーフオプション
・ファブリック表皮シート
※「ツーリング」グレードのシート表皮はトリコットになります。
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これらの装備が目的でなく、装備を厳選したい場合は「ツーリング」を選んでも問題ないでしょう。
「ツーリング」にオプションで追加できる装備は以下の通りです。いずれも「リミテッド」では標準装備となっています。
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・フルLEDハイ&ロービームランプ&ステアリング連動ヘッドランプ+コーナリングランプ
・11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&コネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」
・アイサイトセイフティプラス一部機能
・電動シート(運転席シート自動後退機能付き)
・本革巻シフトレバー&シフトブーツ
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ステアリングヒーターとシートヒーター、ルーフレールは「ツーリング」「リミテッド」ともにオプションです。
インフォメーションディスプレイに追加できる純正カーナビゲーション機能も全グレードでオプション設定となっています。
●価格はライバルのSUVと同等! 良くも悪くもコストのかけ方が違う新型クロストレック
新型クロストレックのグレードや車両本体価格は以下の通りです。
・ツーリング:266万2000円(FF)、288万2000円(AWD)
・リミテッド:306万9000円(FF)、328万9000円(AWD)
価格は2モーターのストロングハイブリッドを搭載するトヨタ カローラクロスやホンダ ヴェセルといったライバルと同等にまで抑えられていますが、燃費性能ではやや劣っています。
しかし新型クロストレックに強みがないわけではありません。低振動・低騒音が特徴の水平対向4気筒エンジンと防振や防音性能が強化された新型シャシは親和性が高く、群を抜いて高い快適性と安全性が備わっています。
加えて、水平対向エンジンならではの低重心と、縦置きエンジンレイアウトによる良好な車体の左右バランスがもたらすハンドリングフィールも特徴です。
さらに新型クロストレックは操舵感の改善に大きく寄与する2ピニオン電動パワーステアリングが新たに採用されています。
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