ホンダ「フリード」なぜ売れている? 「8年ぶり全面刷新」“新型”に期待も「現行モデル」が大健闘! ホンダ主力ミニバンは何が人気なのか

ホンダ「フリード」は常にトップレベルの販売台数を記録してきた人気モデルです。2024年6月には新型が発売される予定ですが、現行モデルではなぜ根強い人気を保持していたのでしょうか。

現行モデルは発売当初から「ずっと爆売れ」 なぜ?

 ホンダのコンパクトミニバン「フリード」現行型は、登場から7年も経過した“長寿モデル”のひとつ。
 
 2024年6月には待望の新型の登場が控えていますが、現行型の人気も、発売当初からほとんど衰えずに堅調な販売台数を記録してきました。なぜ、ここまで支持されるのでしょうか。

まもなくモデルチェンジされる「フリード」現行モデル
まもなくモデルチェンジされる「フリード」現行モデル

 2023年4月から2024年4月にかけての「2023年度」で売れたクルマの上位は1位がトヨタ「ヤリス(シリーズ)」で2位がトヨタ「カローラ」、そして3位がトヨタ「シエンタ」と続きます。

 ホンダ車(軽自動車を除く)でもっとも売れたのは全体では10位となるフリードでした。

 しかし、すでに一部の情報が公式サイトでも公開されているように、フリードはもうすぐモデルチェンジをおこなう予定。

 つまり2023年度に販売されていたモデルは2016年にフルモデルチェンジし、登場から7年が経過した“古いモデル”となります。

 新車販売は新しいモデルの人気が高く、古くなると人気が低下するのが一般的です。

 しかしフリードの場合は新型登場を控えたモデル末期のモデルが、ここまでの人気を維持しているのでしょうか。考察してみました。

 まず前提として言えるのは、いまコンパクトミニバンが高い人気だということです。

 同じ時期に最も売れたミニバンはシエンタですが、シエンタもフリードと同様に車体の小さな3列モデル。フリード人気というよりはコンパクトミニバン人気が背景にあるのです。

 では、コンパクトミニバンの魅力はどこにあるのでしょうか。

 最大の美点は、小さい車体に3列シートを組み合わせていることでしょう。言うまでもありませんが、車体が小さいと運転がとても楽です。狭い道はもちろん、駐車も格段に楽になります。

 そんな運転しやすい車体ながら、イザとなれば最大7人が乗れる3列シートという合理的なパッケージングが高く評価されているのでしょう。バランスがいいのです。

 ミニバンを所有している人でも、常に3列目まで活用するという人はそう多くありません。そう考えた場合「いざとなれば3列目も使えるコンパクトカー」というのは魅力的な選択肢というわけです。

 3列目を畳めば広いラゲッジスペースが確保できるのも魅力。ハッチバックやSUVなどのコンパクトカーには、ここまで広い荷室はありません。

 また、低いフロアと高い天井、さらに後席ではスライドドアを組み合わせた乗降性は一般的なコンパクトカーに比べてはるかに乗り降りが楽なのです。

 ミニバンではありませんが同様のポイントを抑えて高い乗降性を実現したハイトワゴンのトヨタ「ルーミー」やスズキ「ソリオ」も人気車種となっています。

 コンパクトボディに3列シートを組み合わせたミニバンは、新車で買える国産車としてはフリードとシエンタしかありません。現状では選択肢が少ないのです。だからどちらも人気車種となっていると考えられます。

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