ホンダ「フリード」なぜ売れている? 「8年ぶり全面刷新」“新型”に期待も「現行モデル」が大健闘! ホンダ主力ミニバンは何が人気なのか
あえて「従来モデル」を買う人も?
また、「従来型ながら売れた」ということに関しては、実用車の白物家電化が進んだ影響だと筆者(工藤貴宏)は考えます。
たとえば冷蔵庫や洗濯機を選ぶ際、多くの人は「もうすぐ登場する最新型」を待って買い控えをすることはないでしょう。
むしろ、たとえ最新型があっても(もしくは新型登場直前に)割安な価格で売られている旧型を選ぶかもしれません。
1年ほど前に「もうすぐ新型が登場するのに、ホンダ『N-BOX』従来型がかなり売れている」と話題になりましたが、それも同様の理由と考えられます。
「新型が登場するから待つ」のではなく、「いま欲しいから新型登場前でも従来型を割安で買う」という人が増えているように筆者は感じています。
いずれにせよ、扱いやすい車体サイズかつパッケージングは実用的、そして価格が控えめというのがコンパクトミニバンの魅力。
さすがに3列目は広くないので「常に3列目を活用する」といったユーザーには向きませんが、そうでなければ道具として考えた場合に賢い選択肢となることは間違いありません。
ちなみに、もうすぐ発売される予定の新型はホンダ公式サイトでスタイリングや概要が公開されています。
パワートレインは、これまでと同様にガソリンとハイブリッドの2タイプですが、ハイブリッドはフィットと同様、モーター走行領域を拡大した最新の「e:HEV」にバージョンアップされます。これは大きな進化と言えるでしょう。
またスタイルは通常モデルの「AIR(エアー)」とオフローダーテイストの「CROSSTAR(クロスター)」の2タイプがあり、クロスターには2列シート仕様も用意されると発表されています。
安全面ではブラインドスポットインフォメーションの設定やトラフィックジャムアシスト機能など先進安全機能や運転支援機能の大幅なアップデート、快適性の面ではリアクーラーが採用されるのは大きなトピックと言えるでしょう。
そんな新型フリードは2024年6月に登場予定。新型も現行型と変わらずにヒットモデルになる可能性は高そうです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
丁度良いサイズだから