マツダ新型「“小さな”高級車」はどうなる? まさかの「トヨタOEM」化も!? 次期「マツダ2」にモデルチェンジはあるのか

次期「マツダ2」は二段構えの展開か

 このように現在マツダが置かれている状況を考えてくると、筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)は次のような予想をします。

 次期マツダ2には、既存の1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン、1.5リッター直列4気筒ディーゼルターボを改良して搭載するモデルを維持しながら、追ってEV専用の次世代プラットフォームを使用したBEV(バッテリーEV:電気自動車)が用意される二段構えのシナリオです。

マツダユーザーのすそ野を広げる重要な役割を果たす「マツダ2」[写真はスポーティ仕様の「MAZDA2 15SPORT」(海外仕様)]
マツダユーザーのすそ野を広げる重要な役割を果たす「マツダ2」[写真はスポーティ仕様の「MAZDA2 15SPORT」(海外仕様)]

 マツダ2のディーゼルは、コンパクトカークラスのなかではやや高価であり、価格にシビアな日本のユーザーから近年はそこまで支持されていない傾向にあることから、日本向けの次期型ディーゼルは廃止となるかもしれません。

 一方で欧州や国内の市場を考えると、燃費の良いハイブリッド車も欲しいところでしょう。

 しかしコンパクトカー専用として新たにストロングハイブリッドシステムを独自開発するのはリスクが高いと考えられます。

 マツダブランドへの入り口としての役割を全うするためにも安価なガソリンモデルに特化し、用意されたとしてもマイルドハイブリッド止まりというのが現実的でしょう。

 ただしトヨタからパワートレイン供給を受ける可能性も完全には否定できません。

 ボディサイズは、現行車とほとんど変えずに5ナンバー枠(全幅1700mm未満)を死守して欲しいところ。

 新世代のマツダデザインを織り込んだハイパースタイリッシュな“小さな高級車”として、2024年末にワールドプレミア、2025年央より全世界発売、という流れを期待します。

※ ※ ※-

 マツダ車は近年少しずつではありますが、上級車(=利益が得やすい車種)の販売台数が増えています。

 主力の「CX-5」や新世代のラージクラス「CX-60」をはじめとして、「マツダ3」、「CX-30」、そして「ロードスター」も地道に販売台数を伸ばしています。

 デビュー当時勢いのあった現行型マツダ2(デミオ)から上級移行するユーザーも少なくないことから、エントリーブランドの入り口としての役割は今後も重要と考えられます。

 はたして次期マツダ2はどのようなクルマとなって登場するのか。それをベースとするであろう次期「CX-3」などコンパクト系派生モデルの新型車計画とあわせて注目です。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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