「ドライブスルー」といえば、クルマに乗ったままやり取りが完結できる便利なサービスです。
　
　主にハンバーガーなどファストフード店で利用されている印象があるドライブスルーですが、世の中には他にも様々な業種でユニークな「ドライブスルーを備えたお店」が存在します。

■「ドラッグストア」のドライブスルー

　クルマから一切降りず乗車したまま、市販薬や処方薬の購入・受け取りができるドラッグストアがあります。

　例えば、東北地方で展開しているドラッグストア「薬王堂」では、ネットで注文した後に、商品をドライブスルーで受け取れるシステムを導入。

　また、北海道エリアにある「ナカジマ薬局」など、ドライブスルーの導入を進める調剤薬局も増えています。

■「メガネ店」のドライブスルー

　日本にはメガネもドライブスルーで購入することが可能。そのお店が前橋市にある「JINS パワーモール前橋みなみ店」です。

　2013年にオープンした店舗で、「メガネ店のドライブスルー」はここが世界初とのこと。

　窓口でメガネを購入し、車内で試着、調整後に受け取りという流れで、一歩も歩くことなく手軽に好みのメガネを手に入れることができます。

■「銀行」のドライブスルー

　岐阜県や愛知県など中部地域を中心に展開する「大垣共立銀行」が、2020年に全国初の「銀行のドライブスルー」を導入しました。

　ドライブスルーが利用できるのは、愛知県豊橋市にある藤沢支店となっておりで、クルマに乗ったままATMの利用が可能です。

　大垣共立銀行では、ATMのほかに窓口業務もドライブスルーで利用できる店舗「ドライブスルーながくて出張所」も存在しましたが、店舗統合により残念ながら現在はドライブスルー施設が無くなってしまいました。

■「映画館」のドライブスルー

　かつては定番ともいえた、クルマに乗ったまま映画を見る「ドライブインシアター」ですが、これもドライブスルーのひとつです。

　車内から野外のスクリーンを鑑賞し音声はラジオから聞くというスタイルで、日本では1980年代後半から1990年代にかけて人気を博しましたが、時代の流れとともに次第に数を減らしました。

　しかし、コロナ禍によって非接触でのサービス需要が増えたことで復活。

　近年の例では、2023年に「イオンシネマ」において立体駐車場などを利用し、ドライブインシアターを開催しています。

■「葬儀」のドライブスルー

　ドライブスルーで葬儀をおこなうと聞くと、「さすがに海外の話でしょ？」と思うかもしれませんが、実は日本でも可能です。

　長野県上田市にある葬儀会社「レクスト・アイ」が、2017年に全国初のドライブスルーシステムを併設した葬儀場（上田南愛昇殿）を設置。

　クルマに乗ったまま記帳やお焼香を行うことが可能で、遺族はモニター越しに弔問客の様子を見る――というシステムです。

　この葬儀は手軽さではなく、体が不自由な人や、足腰が弱く会場内まで歩くのが難しい高齢者でも弔問ができるとしており、時代に合わせた新しい形の葬儀として支持する声も多いといいます。

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　このように、世の中には斬新かつユニークなドライブスルーが存在し、今回紹介したもの以外にも様々な店舗で展開されています。

　コロナ禍を機に増えた非接触型サービスは、飲食以外でもドライブスルーサービスが散見されるようになりました。

　今後も非接触サービスの需要が増えれば、さらにさまざまな業種で面白いドライブスルーが登場するかもしれません。