トヨタ新型「カローラ“SUV”」実車公開! 鮮烈“赤内装”新採用! 斬新「豪華フェイス」はこれからの“トヨタ顔”? タイの最新カロクロから見えてくる事実とは

トヨタのタイ法人が、第45回「バンコク国際モーターショー」で2024年2月8日に初公開されたばかりのマイナーチェンジを遂げた新型「カローラクロス」の実車展示を行いました。どのようなモデルなのでしょうか。

トヨタ新型「カローラクロス」実車展示

 世界的なSUVブームを背景に、いまや「カローラ」を代表するモデルへと成長したのが「カローラクロス」。カローラシリーズのSUVモデルです。

これが最新トヨタ顔? トヨタ新型「カローラクロス」
これが最新トヨタ顔? トヨタ新型「カローラクロス」

 2023年のグローバルにおけるカローラシリーズの販売台数は164万2000台でしたが、なんとそのうち73万6000台がカローラクロス(内訳はガソリン車48万1000台/ハイブリッド25万6000台)と聞けば、驚く人も少なくないでしょう。ちなみにセダンは67万4000台とカローラクロスよりも少ないのです。

 そんなカローラクロスですが、カローラファンならきっとご存じのように日本仕様のデザインは国外仕様と差別化。

 国外仕様がトヨタのSUVの血筋であることを強く感じさせる力強い大型グリルを組み合わせるのに対し、国内向けは(バンパー開口部は大きいものの)グリルを小さくしてスマートな雰囲気を演出しているのです。

 そんななか、変化が起きたのはタイ仕様。何を隠そう東南アジアのタイはカローラクロスが爆発的なヒットを飛ばしているのと同時に、実は世界で初めてカローラクロスが公開され、他地域に先駆けてカローラクロスが市販化された場所でもあります。

 今年2月にマイナーチェンジを受けたタイ仕様のなによりのトピックは、フロントデザインが刷新されたこと。従来のように大きく力強いグリルからスマートな見た目(でも日本仕様ともまた異なる)へと大きくシフトしたのです。

 グリルの代わりとしてバンパーにハニカム形状の穴が開き、その穴が中央から周辺に向かってグラデーションのように小さくなっているのが、これまでのトヨタ車にはなかった新しいテイストであり、あたらしいカローラクロスのフロントデザインの特徴といっていいでしょう。

 そしてこのデザインを見て、あることに気が付いた人もいるかもしれません。実は2024年央に発売が予定されている「クラウンエステート」と同じテーマなのです。

 クラウンエステートの“穴”はハニカム形状ではありませんが、バンパー中央に網目のように穴があり、それがグラデーションのようにボディになじむ感覚はタイ向けのカローラクロスと一緒。もちろん偶然の一致ではなく、今後のトヨタ車にそういうテイストが採用されていくと考えるのが自然でしょう。

 またカローラクロスに関していえば、このデザインはタイを皮切りに世界の各地域へ広がっていくのではないでしょうか。ただし、独自のフロントデザインとなっている日本仕様もこの新しい顔になるのかは現時点ではわかりません。

 ただ、現地で実車を見た筆者としてはタイ仕様の新しいデザインは素直に洗練されている印象。日本仕様もこうなるのであれば、大歓迎したいところです。

 ちなみにタイ仕様のカローラクロスにはもうひとつのデザインがあります。それは「カローラクロスGRスポーツ」です。

 日本のカローラスポーツには用意のない「GRスポーツ」がタイには存在し、そちらはマイナーチェンジ後も押し出しの強いグリルを組み合わせたスタイルを継承。まるで「ミニRAV4」のようなテイストで、これがカッコよく魅力的です。こちらはぜひ日本にも用意して欲しいと願わずにはいられません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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