クルマ運転支援、見えにくい「差」とは 各社各様うたい文句に隠れた「機能」と「質」
昨今のクルマには当たり前のように搭載され始めている運転支援システムですが、たとえば同じ「自動ブレーキ」でも、その内容や性能は千差万別です。うたい文句からは見えにくい「差」はなぜ生じるのでしょうか。
同じ「機能」で差が出る大きな理由のひとつは「手段」
では、なぜ、そのような差ができてしまうのでしょうか?
理由のひとつは、運転支援システムという技術が、まだ発展途上だから。人やクルマを認識して、ぶつからないように自動でブレーキを作動させるシステムの普及は、ごく最近のことです。その技術は、まだまだ円熟と呼べるものまで磨き上げられていません。

また、いろいろな自動車メーカーが「障害物を認識してブレーキを作動させる」という機能を実現していますが、使っている技術はメーカーごとに異なります。完成したひとつの技術があって、それをみんなで共有しているのではありません。それぞれの自動車メーカーが、独自にシステムを開発しているのです。
たとえて言えば、「家屋の二階にあがる」という行為は同じでも、「ハシゴを使う」「階段を使う」「エレベータを使う」というくらい違います。ハシゴは安いけれどグラグラと不安定。エレベータはラクチンですが設置は大変、といったように、それぞれにメリットとデメリットがあります。
同じように、自動ブレーキも、ひとつのカメラで済ますのか、カメラとレーダーなど数多くのセンサーを組み合わせるのか、といった違いがあります。センサーが多くなるほど、安心度は高まりますが、値段も高くなりますので、いかに安く、いかに安心度を高めるのかがポイントとなっているのです。





