宮城~山形の新たな高速「石巻新庄道路」ついに具体化へ!? 国道47号バイパス整備で「高速空白地帯」解消図る

宮城~山形の新たな高速「石巻新庄道路」が、今回新たに、具体化に向けた検討段階へ入ることになりました。いったいどんな道路で、開通すればどう便利になるのでしょうか。

「高速空白地帯」な東北地方の県境部

 国土交通省 東北地方整備局は2024年の予算計画を発表。そのなかで、今回新たに「計画の具体化に向けた検討を、関係自治体と連携して進めます」と明記したのが、「石巻新庄道路」です。
 
 いったいどんな道路で、開通すればどう便利になるのでしょうか。

東北道の古川IC。将来、石巻新庄道路が接続する可能性も(画像:Google Earth)。
東北道の古川IC。将来、石巻新庄道路が接続する可能性も(画像:Google Earth)。

 石巻新庄道路は、同局の広域ビジョンでも「調査区間」としてざっくりと計画されている高規格道路です。

 国道108号および国道47号のバイパスという位置づけで、宮城県石巻市から大崎市(古川)を経て、山形県新庄市へ至る高速ネットワークを構築します。

 鉄道でいうと、JR石巻線とJR陸羽東線にあたるルートです。

 東北地方の東西をむすぶ高速道路はまだ少なく、多くの場合、一般道路で峠越えをしつつ、延々とドライブする必要があり、ひとたび雨や雪が降れば通行止めになり、緊急輸送としては貧弱な状態が続いています。

 県境をまたぐ高速道路は、横手~北上をむすぶ「秋田道」の南側となると、山形~村田をむすぶ「東北横断道」まで約120kmにわたってありません。その中間あたりに位置するのが石巻新庄道路です。

 事業着手までは、まず「計画段階評価」で概略ルートを決定し、それを元に都市計画決定と環境アセスメントを完了させて、事業化を待つこととなります。

 今回は、その計画段階評価の前段階で、まずは沿線の課題を整理していくというレベルです。それでも今年度はじめて正式に予算が割り当てられ、実現への第一歩を踏み出しました。宮城県知事も1日、「新規事業化に向けて進展するものであり、大変喜ばしく思っています」とコメントしています。

 同局は、今年度の石巻新庄道路の検討については、「県境部付近など現道課題の多い区間の計画」という表現をおこなっています。石巻から新庄までまるごと検討するのではなく、まずは鳴子や最上の山岳地帯の事業化を見据えての動きと思われます。

 ちなみに、この東西軸については、西側の酒田~新庄のほうは着々と高規格道路の工事が進んでいます。開通済みの余目酒田道路(12.7km)、新庄南バイパス(4.0km)などのほか、「新庄古口道路」工区をはじめ、4工区が同時進行で事業中です。

【画像】超便利!? これが「石巻新庄道路」の計画ルートです(地図)(14枚)

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