米子道 ついに「境港」へ延伸!? 実現へ検討本格化 「漁港・空港・工業港」全部強いのに「まともなアクセス道路ゼロ」状況打開へ

鳥取県米子市から、北の重要港湾地区である境港市まで、新たな高規格道路を整備するべく会議が開かれました。実現すればどう便利になるのでしょうか。

いよいよ本格的に検討開始!?

 国土交通省 倉吉河川国道事務所は2024年3月25日、沿線自治体とともに「第1回 米子・境港地域 道路整備勉強会」を開催しました。
 
 その主要議題は、鳥取県米子市の中心部から、主要港のひとつ境港へ伸びる新たな高規格道路の必要性についてです。実現したらどうなるのでしょうか。

米子~境港をむすぶ国道431号は混雑が課題となっている(画像:国土交通省)。
米子~境港をむすぶ国道431号は混雑が課題となっている(画像:国土交通省)。

 境港は、古来よりこの地方の重要な港湾拠点として賑わい、今も水揚量では全国トップクラスで、コンテナ取扱量も2.5万TEUを超える大規模な物流量を誇っています。周囲では工業団地の開発が進み、境港市は人口密度が鳥取県トップとなっています。

 大きな欠点は、アクセスの異様な悪さです。山陰道や米子道の通る米子市中心街から約17km北へ突き出た半島先端に位置し、さらに観光重要が高まる米子空港も、やはり半島先端部にあります。

 この境港エリアへのアクセス道路は、今に至るまで国道431号が担っていました。4車線道路ですが交通量は1日あたり最大約3.9万台にのぼり、各地点で混雑が目立っています。

 最寄りの高速ICまでのアクセス時間は30分以上もかかり、国の資料でも「日本海側重点港湾の中で最も劣っており」と表現されるほど。境港管理組合によるヒアリングでも「米子市内の人口集中地区を通過する必要があるため、渋滞等の影響を受けやすく陸送効率等が悪い」という意見が上がっていました。

 さて、境港への高規格道路の整備は、中国地方整備局の「広域ビジョン」でも、米子道の延伸部として「調査中路線」に位置付けられています。

 もともと「中国横断自動車道岡山米子線」というのは、終点が境港市でした。岡山~米子は1997年に全通していましたが、そこから話は進まず、2006年には米子北までが「当面着工しない区間」とされてしまいました。

 その後何度か勉強会や検討会が開かれ、今回、心機一転で「米子・境港地域 道路整備勉強会」の初回が開かれたこととなります。

 資料では先述のアクセス不便性について「過去16年で改善されていない状況」と、半ば苛立ちにも似た文言も見えます。地域の課題を整理した資料は異例の36ページにもわたり、交通・物流産業・観光・医療のすべてで課題があるとしています。

 今回の会議は、あくまで最初の課題整理の段階であって、概略ルートを実際に決めていく「計画段階評価」を準備するまでには至っていません。しかし、全国で展開される高速道路の構想路線のなかで、優先順位を高くしてもらうために、大きなアピールとなることに期待がかかっています。

【画像】超便利!? これが「米子~境港」新たな高速道路のルートです(地図)(30枚以上)

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