なんでタイヤは「~本」で数えるの? “棒状”じゃないのに… 言語学者も悩ませた「タイヤの数え方」の秘密とは!

「タイヤ」と「歯」は同じだった!?

 一方、言語学者の濱野寛子氏と李在鎬氏による研究では、タイヤは腕や足(脚)、歯などと同じ考え方によって「~本」と数えられた可能性が示されています。

「タイヤ」と「歯」は同じだった!?
「タイヤ」と「歯」は同じだった!?

 両氏は、新聞で実際に用いられた膨大な言語データを解析し、「~本」には物理的な形状以外にも多くの要素がからみあっていることを指摘しています。

 そのうえで、そうした要素のうちのひとつとして「有情物(の一部分)」「握れる」「主語がコントロール可能な対象」の条件を満たすものには「~本」が用いられる傾向があり、腕や足(脚)や歯、そしてタイヤなどがそこに含まれるとしています。

 ただ、「有情物」が「生物」とほぼ同じ意味を持っていることを考えると、タイヤをここに含めるのは適当ではないようにも思います。

 しかし、近年の言語学界では「メタファー(比喩)」によって言葉の意味が拡張していくという考え方が主流となっており、この点についてもそうした考え方で説明できる可能性があります。

 たとえば、「~本」はもともと木の棒のような「物理的に細長いもの」に対して用いられていましたが、そこから「握れる」という要素が加わったことで腕や足にも用いられるようになり、さらにそこから「有情物」という要素が加わったことで歯にも用いられるようになったと説明できます。

 そして、その「有情物」という部分がさらに拡張されたことで、タイヤも「~本」で数えられるようになったのではないかと考えられるのです。

 言い方を変えれば、日本語ではクルマを擬似的な生物としてとらえ、その一部分であるタイヤも歯のように捉えているといえるでしょう。

 たしかに、クルマは無生物であるにもかかわらず「愛車」と表現されることもあるなど、古くから親愛の対象となってきました。

 そんなクルマにとって、タイヤは言うまでもなく必要不可欠な存在です。

 一方、クルマを構成する部品のなかでは比較的取り外しやすいという側面もあります。

 歯も、私たちが生きるためにはなくてはならないものでありつつ、取り外れる構造であるという点でタイヤと似た性質を持っています。

 これらを総合すると、タイヤを「~本」と呼ぶ最大の理由はその物理的な形状にあるのではなく、日本語がクルマを生物のようにとらえているためであると考えることができそうです。

※ ※ ※

 タイヤと同様に、ホイールも「~本」と数えることが一般的です。

 ホイールは明らかに「物理的に細長いもの」ではありませんが、擬似的な生物であるクルマの一部分であると考えると、「~本」という助数詞で数えることも不思議ではありません。

 一方で、たとえば、ホイールカバーについては、通常「~本」と数えることはありません。物理的な形状もさることながら、そこにはどれだけ親愛の情があるのかということも関わっているのかもしれません。

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4件のコメント

  1. タイヤやホイールが1本と数えられるのは、生き物の一部であるかのようなメタファーを含む「有情体」だからではなく、それが「回転体」だからだと思います。回転体には回転軸があり、それが見えない「棒」の感覚を想起させるからだと思います。ナットなども棒状ではありませんが、回転するものであるため、1本と数えるのではないでしょうか。

  2. 歯って違和感があるけど
    単純に乗り物ってもともとは馬だったり生き物だったわけだし
    前輪後輪は前脚、後脚に置き換えたイメージだからだと思うけど
    そんなに難しく考えるような話かな?

  3. 正面から見たら細長いからじゃないの?勝手な想像ですが

  4. なんてことない、タイヤは車の”足”と考えられるから、ではなのいかな?!

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