なんでタイヤは「~本」で数えるの? “棒状”じゃないのに… 言語学者も悩ませた「タイヤの数え方」の秘密とは!

「物理的に細長いもの」に対して用いられることの多い「~本」という助数詞ですが、タイヤも「~本」と数えることが一般的です。なぜタイヤは「~本」で数えるのでしょうか?

「タイヤの数え方」は言語学者をも悩ませる

「~個」や「~匹」あるいは「~人」など、おもに数字と組み合わせてそのものの性質を示す言葉を「助数詞」といいます。
 
 日本語は特に助数詞の多い言語として知られており、動物だけをとってみても「~匹」「~頭」「~羽」「~尾」など、その種類は多岐にわたります。

「タイヤの数え方」は言語学者をも悩ませる
「タイヤの数え方」は言語学者をも悩ませる

 そんななか、多くのものに用いられる助数詞のひとつといえるのが「~本」。

 一般的に細長いものに対して用いられると説明される「~本」ですが、細長いものであればすべて「~本」が用いられるかというと、実はそうではありません。

 たとえば、スマートフォンや携帯電話のほとんどは細長いにもかかわらず「~本」で数えられることはまずありません。

 その一方で、細長いもの以外にも「~本」が用いられているケースも珍しくありません。

 その代表格が「タイヤ」です。

 タイヤはホイールとともに車輪を構成するものである関係上、ほぼ確実に円形をしていますが、自動車用品店などでは「~本」と数えられるのが一般的。

 では、なぜタイヤは細長い形状ではないにもかかわらず「~本」で数えられるのでしょうか?

 この点について、「中心部の穴が輪っかの断面よりも大きいものを『~本』と数える」と説明している例をインターネット上などで見ることができます。

 たしかに、タイヤやフラフープは「~本」で数えられるのに対し、中心部の穴が輪っかの断面よりも小さいことが多いドーナツは「~本」と数えることがないことを考えると、この説明は妥当なようにも思えます。

 ただ、これはあくまでタイヤやフラフープといった局所的な例に対して説明を与えたにすぎず、「~本」という助数詞全体の意味を解き明かすものとは言えません。

 たとえば、指輪はタイヤと近い形状であるにもかかわらず、「~本」で数えられることはまずありません。

「~本」という助数詞は、言語学の世界でもしばしば研究の対象となってきましたが、そうした研究の多くで、タイヤは例外的な存在として扱われてきたのが実情です。

【画像】「これはアウトー!!」 これが交換すべき「危険なタイヤ」です(19枚)

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