三菱「パジェロ」復活はウソ?ホント? 待望の「本格4WD」誕生までの“考えられるシナリオ”とは

つまり…考えられる「パジェロ復活のストーリー」は2つ!

 ここで冒頭の報道に戻ると「次期パジェロが2027年に日本導入を検討」とあります。

 つまり、「パジェロスポーツのフルモデルチェンジが間近」ということと「パジェロ復活」の2つの時期がほぼ同じ。そう考えると、単純に「新聞報道が言っているのはパジェロではなくパジェロスポーツのことでは」という可能性もあります。

 その場合、日本に導入されるのは海外市場で「パジェロスポーツ」と呼ばれるモデルになります。

 ここで重要になるのが、次期型のパジェロスポーツの内容です。これまでと同じ「トライトン」のSUV版であり、後輪サスペンションが板バネのままであれば、日本のファンから不満の声が漏れてしまうはずです。

これをベースとした新型「パジェロスポーツ」導入も有力!
これをベースとした新型「パジェロスポーツ」導入も有力!

 個人的にも「トライトンは良かったけれど、やっぱりパジェロと名乗るのであれば、もう1ランク上の乗り心地が欲しい」と思います。もしも、この形で導入されるならパジェロではなく、パジェロスポーツを名乗る方が摩擦は少ないはずです。

 ただし、次期型「パジェロスポーツ」の内容は不明です。もしかすると、新型「トライトン」をベースにしつつも、後輪に板バネではなく、独立懸架のサスペンションを採用しているかもしれません。かなり上質な乗り心地が期待できます。

 そうとなれば、海外名パジェロスポーツ=日本名パジェロも受け入れられる可能性が高くなります。

 また、別の予測もできます。それはパジェロスポーツとは別に、本当にパジェロが独立したモデルとして復活するというシナリオです。

 ベースに「トライトン」が使われるとしても、当然、パジェロスポーツよりも、上質なクルマに仕上げてくるはずです。そうでなければ、パジェロとパジェロスポーツの2モデルを併売する意味がありません。

 できればラダーフレームではなく、ビルトインフレーム式モノコックまで再現してくれれば最高です。その上で、日本にパジェロが導入されるのであれば、きっと誰もが文句を言わないはずです。

 どちらにせよ、「パジェロ」は、三菱の歴史にとって重要なモデルであり、熱いファンが存在しています。それに応じた、誰もが納得する高いクオリティで登場することが求められるクルマです。ぜひとも、よいクルマが日本に導入されることを期待します。

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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