三菱「パジェロ」復活はウソ?ホント? 待望の「本格4WD」誕生までの“考えられるシナリオ”とは

最近、三菱の「パジェロ」復活が話題となっています。一部、新聞報道では決定事項かのように「2027年の日本国内への導入も検討」との情報も。果たしてどのような姿で登場するのか、考察します。

えっ…「パジェロ復活」はホントなの?

 最近、三菱自動車工業(以下、三菱)の「パジェロ」復活が話題となっています。一部、新聞報道では、すでに決定事項であり、2027年の日本国内への導入も検討されているという、過激なものまであります。
 
 しかし、それは本当なのでしょうか。もしも、本当であれば、どのような姿で日本に登場するのでしょうか。

「パジェロ」復活はホントなの?
「パジェロ」復活はホントなの?

 まず、そもそものパジェロの特徴を振り返ってみましょう。

 初代のパジェロが誕生したのは1982年のこと。1979年の東京モーターショーで発表した「パジェロII」の好評に自信を得て、誕生した本格4WDモデルです。

 名称はチリ・アルゼンチン地方南部パタゴニア地方に生息する野生の猫“パジェロキャット”を由来とします。

 そんなパジェロは、本格4WD車ならではの悪路走破性能と、乗用車的な扱いやすさと乗り心地を両立するクルマとしてヒット。1980年代から90年代にかけてのRVブームの牽引者となりました。

 また、当時、大人気だったパリ・ダカールラリーでも活躍し、その名声を確固たるものとしました。

 ところが日本において省燃費のハイブリッドカーの人気が高まる2010年代以降に、その人気は凋落。2019年には日本での販売を終了。その後、海外でも2021年に生産を終了。惜しまれつつも、39年におよぶ歴史に幕を下ろしたのです。

 ここで重要となるのは、パジェロは本格4WDでありながら、乗用車のような扱いやすさや乗り心地の良さがあったということです。最終モデルでは、乗用車と同様のモノコック(ビルトインフレーム式モノコック)と、4輪独立懸架サスペンションを採用したのが特徴です。

 ここで、現在の三菱の中・大型SUVのラインナップを整理してみましょう。

 日本国内では、最上位モデルとして「アウトランダーPHEV」があります。本格SUVではありますが、オンロードイメージの強いモデルです。

 それ以外の大型モデルとしては、つい最近(2023年2月15日)に、ピックアップトラックの「トライトン」が発売されています。「トライトン」はラダーフレームを抱え、後輪は板バネを使うリーフリジッド式サスペンションです。試乗してみれば、さすがの悪路走破性に脱帽しました。

 また、板バネではありますが、乗り心地はほとんど乗用車。非常にポテンシャルの高いクルマと言えるでしょう。もしも、次世代パジェロを考えるのであれば、この新型「トライトン」は、需要なヒントとなります。

 次に海外市場に目を向けてみましょう。海外市場でもアウトランダーとトライトンがフラッグシップ的な存在として販売されています。

 しかし、海外市場では、もうひとつの売れ筋SUVが存在します。それが「パジェロスポーツ」です。現行モデルは2015年より発売された第3世代モデルであり、アセアンを中心に非常に高い人気を誇ります。

 その内容は、言ってみれば「トライトン」のミッドサイズSUV版。ラダーフレームのボディに、サスペンションはピックアップトラックそのままとなります。

 ちなみにピックアップトラックをベースにSUVを仕立てるのは、珍しい話ではありません。トヨタではピックアップトラック「ハイラックス」のSUV版とも言える「フォーチュナー」が海外で販売されています。

 ここで重要となるのが、パジェロスポーツのデビューが2015年であることです。もうデビューして10年近いというわけ。それを考えると、パジェロスポーツは、そろそろフルモデルチェンジの時期を迎えてもいいでしょう。

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