四万十自動車学校の「落ちてはいけない路上教習」、実施しなくなった理由とは?
2015年2月、四万十自動車学校の教習車を写した1枚の写真が大いに話題になりました。全国的にも有名なあの欄干のない橋の上で、クルマどうしのすれ違いをしていたからです。実際どのような様子だったのでしょうか。
「怖すぎる路上教習」と話題になった1枚
自動車運転免許の教習で、ひとつのハードルになるのが路上教習でしょう。そのコースは教習所によってさまざまですが、歩行者の多い都市部の商店街などは、まだ仮免のドライバーにとって恐怖でしかないかもしれません。
歩行者がいなければ易しいかというと、そうとも限らないようです。四万十自動車学校(高知県四万十市)の路上教習は、全国的にも有名な沈下橋(ちんかばし)を通る同校の教習車の姿が目撃され、2015年2月にはTwitterユーザーが投稿した写真が話題になったこともあり、国内屈指の難易度だろうということで広く知られるようになりました。
沈下橋、あるいは潜水橋などと呼ばれるものは、河川にかかる橋の一種で、川の増水時には水面下に沈んでしまいます。そのため欄干がないか、あっても低かったり、増水時には取り外されたりします。上述の話題になった写真の沈下橋は欄干がないタイプのもので、加えて橋の幅も決して広くはなく、クルマどうしのすれ違いはギリギリのように見えます。
実際の教習の様子はどのようなものなのでしょうか。四万十自動車学校に話を聞いたところ、「現在、沈下橋での路上教習は実施していない」といいます。
「地域の実情に応じた路上教習コースの過程の一部として、生徒さんの希望により沈下橋を通過することもありましたが、その希望がなくなったということです」
沈下橋での教習希望がなくなった一方で、中村宿毛道路(なかむらすくもどうろ)が整備されるなど四万十市周辺の道路事情が良くなったことから、高速道路(自動車専用道路)での教習希望が多くなったそうです。