クルマの中でも「トコジラミ」は繁殖する? 環境によっては「吸血」の恐れも! 生態から見た正しい「対処方法」とは
日本各地での発見が相次いでいる害虫「トコジラミ」。吸血によって皮膚に痒みや湿疹などを引き起こすトコジラミは、クルマのシートなど車内で繁殖する可能性はあるのでしょうか。
「トコジラミ」は車内に繁殖・蔓延する?
近年日本各地で発見が相次いでいる害虫「トコジラミ」。
2024年3月10日には、SNS上に「電車の座席でトコジラミを見つけた」という内容が投稿され、大きく話題にもなりました。
吸血によって皮膚に痒みや湿疹などを発生させるこのトコジラミですが、クルマのシートなど車内で繁殖・まん延する可能性はあるのでしょうか。
厚生労働省が公式サイトに掲示している情報によると、トコジラミとは、一般には「南京虫」という通称でも呼ばれ、基本的に熱帯地方に分布するものの、日本でも港湾地域などで見られる昆虫です。
「○○シラミ」と名付けられていますが、髪の毛などに住み着いて吸血する「シラミ」とは全く異なる昆虫で、セミやカメムシに近い種に属し、触れるとカメムシと同じように不快な臭いも発します。
幼虫の体長は1.3mm前後、成虫の大きさは5mmから8mmで、卵から成虫までの期間は約40日。数回の脱皮を経て成虫になります。
寿命は長く飢餓にも強い性質を持ち、20度では18ヶ月、10度以下の環境においては2年近く生存した例も確認されています。
またトコジラミの栄養源は血液のみ。皮脂を食べることはなく、人間のみならず犬や猫、ネズミや鳥からも吸血し、その際に体内に唾液が注入されるため、それに対するアレルギー反応が生じ、皮疹や痒みを引き起こします。
現在のところ感染症の媒介に関する報告はないといいますが、その一方で多量の血液を吸うことから、潰した際などに血液を介して肝炎やエイズなどを感染させる可能性があるのではないかという疑いも持たれています。
活動が活発になるのは暖かい夏ですが、冬でも暖房など暖かい環境であれば活動は可能で、メスは一生の間に500個ほどの卵を産むといいます。
近年、世界的にその生息域が拡大している原因は主に“海外旅行者の荷物への付着”といわれており、衣類やスーツケースに混入してホテルを中継しつつ各自の自宅へと持ち込まれています。
実際に、海外ではホテルやブランド品店などでトコジラミが発生し、休業せざるを得なくなるなど、大きな被害を及ぼす事態も発生しました。
日本ではコロナウイルスの感染リスクが減り、外国人観光客の数が以前のレベル近くまで戻ってきていることもあって、こうした観光客に付着したトコジラミが国内で増殖しているといいます。
そんなトコジラミですが、クルマの車内で繁殖・蔓延することは考えられるのでしょうか。
車の車内は、窓閉め切って外に出して置くだけで50℃以上に室内温上がります。よって、ほとんどの虱、ダニ系は生存しません。時々青空駐車をしてみてください。2時間ほどで50℃に上昇しますよ