古めの「旧車」あえて乗る人が増加! 交換部品がなくて泣く泣く廃車も!? “レトロ車”入手後に困ることとは?
現代のクルマとは違う魅力を持つことで人気の「旧車」ですが、その一方で古いだけあって、何かしらのトラブルが起きる確率は高くなります。旧車を所有するにはどのようなことに注意したら良いのでしょうか。
旧車は劣化対策が重要課題
安全装備はもちろん、運転支援技術まで盛り込んだ現代のクルマは工業製品としての完成度が高いことは知られていますが、その一方で、現代のクルマとは違う個性を求めて、20年以上前の“旧車”をあえて選ぶ人が増えています。
しかしクルマは金属部品の集合体ともいえる代物だけに、古くなるほど何かしらのトラブルが発生する率が高くなってしまうもの。旧車に憧れていても手が出せないのは、そういった部分が心配だからという人も多いのではないでしょうか。
旧車というジャンルは最近では細分化されており、諸説ありますが、日本の名車が数多く生まれた「1989年」前の本当の意味での旧車と、1990年代から2000年代の「ネオクラシカル(以降、省略してネオクラ)」に大別できるでしょう。
そして70年代以前のリアルな旧車はとてつもない高値で取引されることも多いのですが、ネオクラはエアコンやパワステなどの現代的な装備も搭載され、車種によってはパワーも十分。
想像以上に普段使いできるとあって、最近では旧車よりも高値で取引されるネオクラのスポーツカーも増えています。
では、憧れの旧車を購入したい場合は、どんな点に注意すべきなのでしょうか。
現代のクルマはもちろん、ネオクラの整備なども手掛けるT整備士によると、まずはその車種の専門店はあるか、パーツ(補修部品)の在庫が確保できそうな車種なのか、または社外品のアフターパーツが充実しているかが購入判断のポイントになってくるといいます。
「現在、パーツストックの保管年数が短くなってきており、製造から5~10年しか経っていない車種でもパーツ欠品となる事態が増えました。走行に関連する部品などはもちろん、バンパーやミラーなどの純正パーツも探すだけで大変です。
これが旧車の場合、外装パーツはほとんど入手できないでしょうし、あっても社外品ばかりというのが現状です。
この社外品パーツのクオリティが純正よりも劣るケースが多く、機関部品などもほぼ入手が難しいです。
そうなると、旧車として人気でアフターパーツが豊富にある、または特定の車種専門店などで交換パーツのストックがあるのかが重要になってきます」
例えば冷却系統や燃料周りなど、経年劣化で消耗する純正部品などの在庫状況は、旧車を入手後にメンテナンスできるかどうかということに大きく影響してきます。
また専門店の有無は、単に整備の経験だけでなく、純正部品がない場合に代替えとして使用できる社外品パーツや、別車種のパーツを上手に利用するなど、特定の車種のノウハウがどれだけあるかということに関わってくるのです。
特に古いクルマほどコンディションを維持するためには定期的なメンテナンスは欠かせませんし、車検を通すためにも保安部品などの交換パーツの有無も重要になります。
「もし旧車でエンジンが壊れてしまったとして、パーツの欠品によってエンジンの修復が難しい場合、代替えの中古エンジンやリビルド品に交換したくても、ストックがないことがあります。
ほかの部分はまだ使えたとしても、泣く泣く廃車しなければならないこともあるということは忘れないでください」(T整備士)
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