古めの「旧車」あえて乗る人が増加! 交換部品がなくて泣く泣く廃車も!? “レトロ車”入手後に困ることとは?

レトロなスポーツモデルはパーツがない!?

 本格的な旧車でなく、まだ現役としてバリバリ走れそうなネオクラでも、古さゆえの維持の問題は常に付きまとってしまうのは宿命のようなもの。ではどんな点に気をつけるべきなのでしょうか。

「古いクルマは、どんなに大事に乗っていても経年によって各部が劣化しています。ゴム部品は硬化やひび割れ、マフラーなど下回りもサビが発生している可能性もあります。

 まずは走行や操作に不可欠な機関やパーツに痛みが少ないかをチェックする必要があります」(T整備士)

一番売れた三菱「ランサーエボリューションIV」
一番売れた三菱「ランサーエボリューションIV」

 これは維持だけでなく、購入前にも通じること。市場よりも安い価格の中古車を見つけると、テンションが上がってしまって冷静に判断できなくなることもあります。

 しかしT整備士は、目先の安さよりメンテナンスがどれだけされてきた車両か、現在のコンディションなどを総合的に判断してから購入するのが、最終的な維持費が違ってくるといいます。

「たとえばハイパワーと迫力のエアロで現在でも人気の高い三菱『ランサーエボリューション』シリーズなどは、(世代によっては)ほぼパーツの入手が難しい状況です。

 つまり搭載されているエンジンとパーツをどれだけ労わって乗り続けることができるかということが重要です。

 しかもそういったスポーツモデルは、たいていエンジンを酷使したり過走行の車両も多く、オイル類の交換だけではコンディションを取り戻せないケースも考えられます。

 何かあったときに相談できるショップやインターネットでのコミュニティを見つけておくと良いでしょう」(T整備士)

 特にインターネットでの車種専用コミュニティは情報量も多く、代替品や故障しやすい弱点、対処法などプロの知識量を超えていることも多々あります。

 そういった旧車ならではのコミュニティがあるかも事前に調べておくと、後々役に立つこともありそうです。

「あとは、古いクルマならではのコンディション維持方法として、オイル交換は早め、雪などの悪天候はできるだけ走行を控える、エンジンも使い続けるほうが維持しやすいのですが極端な高回転を避ける、ボディの塗装面を守るためにコーティングなども定期的に使用すると良いでしょう」(T整備士)

 オイル類は、高性能すぎると性能を十分に引き出せないこともあり、適正な量とグレードを使用することが大切です。

 人間と一緒で、クルマもトシを取れば、いろいろと気を遣う部分が増えてくるのは当然ですが、ただ努力したぶん、現代のクルマでは味わえない楽しさがあるのは間違いありません。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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