そろそろ「夏タイヤ」履き替えの時期… “DIY作業”はとても危険! 過去には大事故も発生 注意するべきポイントは?
春に向けて、マイカーのタイヤを冬タイヤから夏タイヤに履き替えるという人も増えてくる時期ですが、作業する際にはどういった点に注意すればいいのでしょうか。
自分で交換する時はしっかり準備と確認をしよう
全国的に暖かくなってきたことから、これから春にかけて冬タイヤから夏タイヤへの交換をする人も増えてきますが、例年タイヤ交換作業中の事故が発生しています。
整備工場などに依頼して交換してもらうのがベストですが、もし自分で作業するとしたら、どのような点に注意が必要なのでしょうか。
タイヤ交換作業中に適切な方法でなかったため、クルマの下敷きになってしまうなどの死亡事故が例年発生しています。作業が行えていても、正しい取り付けができておらず、タイヤ・ホイールが外れ、歩行者に大ケガを負わせるといったケースも見られます。
基本的には、自力で行わずに整備工場やガソリンスタンドなどに依頼して交換してもらうのが安心ですが、安全な作業場所を確保して必要な工具などを揃えれば、自分で交換することも可能です。
その際は、「持ち上げたクルマが落ちてくるかもしれない」「取り付けたタイヤ・ホイールが外れるかもしれない」といった想定を行い、正しい方法で作業後のチェックを欠かさないことが大切です。
まず、タイヤ交換を行うときには必ず平らでかつ、地面が整った場所でパーキングブレーキをかけてから作業を行うことが大切です。また、交換作業を行う対角線上のタイヤに輪止めなどをかけておくとベストです。
交換にはクルマに装備されている車載工具を使うこともできますが、安全に確実な作業をするためには、車載工具とは別に専用の工具を揃えたほうがいいでしょう。
タイヤ交換を行う時はクルマを持ち上げて作業しますが、そのために必要なのがジャッキです。主なジャッキには、手の力だけで回して電車のパンタグラフのように上げ下げできる「パンタグラフジャッキ」と、油圧を使う「油圧ジャッキ(ガレージジャッキ・フロアジャッキとも)」があります。
パンタグラフジャッキはコンパクトで軽量なことから、応急的に使用する車載ジャッキとして標準で備わっていることが多い傾向にあります。
しかし、バランスに優れず横からの力に弱いため、作業中にうっかり蹴ったり物をぶつけたりしてしまうと、ジャッキが倒れて、持ち上げていたクルマが落ちてしまう危険があります。
一方の油圧ジャッキは、ジャッキ自体に重量があり安定性が高く、上げ下げする時の力も少なく済むので、より安全な作業が可能なほか、車載ジャッキをかける位置以外のジャッキポイント(ジャッキをかけても良い車体底部)でも持ち上げることができます。
なお、ジャッキポイント以外で車体を持ち上げることは、車体に損傷を与えるだけでなく、クルマが落ちてしまう可能性があるため、正しい位置なのか、ぐらついたりしていないかなどをチェックすることが望ましいと言えます。
さらに、ジャッキで持ち上げた車体を複数の足で支える「リジットラック(ウマとも呼ばれる)」を併用するとともに、万が一クルマが落ちてもスペースを確保するため、交換予定のタイヤ・ホイールを車体の下に入れておくことが推奨されます。
自分でタイヤ交換できないなら車に乗るな!