そろそろ「夏タイヤ」履き替えの時期… “DIY作業”はとても危険! 過去には大事故も発生 注意するべきポイントは?
いちばん重要な「取り付け」 何に注意する?
タイヤ・ホイールを固定しているナットやボルトを回すために必要なのが「レンチ」です。
十字の形をした「クロスレンチ」や、ナットやボルトの大きさに合わせてパーツを組み替えて使える「ソケットレンチ」などがありますが、交換後にタイヤ・ホイールの取り付けを行うときに活用できるのが「トルクレンチ」です。
トルクとは締め付ける力を指し、このトルクレンチを使うことで、締め付ける力を測定しながら適切な力でナットやボルトを締めることができます。
反対に、ナットやボルトを締めすぎたり、締める力が足りなかったりすると、ホイール取付部がねじ切れるなどで損傷したり、走行中の振動で外れてしまったりする危険があります。過去に、適正トルクを超えた締め付けを行なってしまったことで、ホイールが外れて歩行者に直撃し、死亡させた事例もあります。
単に強く締めればよいという訳ではなく、クルマごとに定められた適正なトルク値を厳守することがとても重要で、このトルク値は取扱説明書で確認することができます。
なお、ジャッキアップの前にナットやボルトを少し緩めておくと、車体が持ち上がっている不安定な状態で強い力をかけずに済むため安全です。これと同様に、取り付け時は仮締めとしておき、車体を下ろしてからナットやボルトを本締めすると良いでしょう。
ナットやボルトの取り付けも、5本なら星を描くように、4本なら「4」を書くようにと、締めていく順番が決まっています。ナットの表裏が逆になっていないかの確認も大切です。
また、取り付け後はタイヤの状態に注意が必要です。
タイヤは、ホイールに組んで保管しておいただけでも徐々に空気が抜けていくため、必ず適正な空気圧に調整する必要があります。
タイヤの空気圧は、ガソリンスタンドやカー用品店などで無料で確認や調整することが可能です。
そして、タイヤ交換後は一定距離を走行し、再度ナットやボルトが適正に締め付けられているか、緩んでいないかを確認する「増し締め」を行います。
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タイヤ交換は自分で行う時には、必要な工具をしっかりと準備した上で安全に作業しましょう。
作業中はもちろん作業後にも確認すべきポイントが多く、作業ミスが大きな事故に繋がるリスクもあります。
適切な取り付けができていないなど、DIYによる事故も多く発生しており、心配な人は無理せず整備工場などに依頼することも大切です。
慣れていても増し締めなどを忘れてしまうこともあるため、必要以上にチェックすることが大切です。
自分でタイヤ交換できないなら車に乗るな!