急増する「変な形のウィンカー」なぜOK? 形状や光り方は法律でどう決まっているのか 「細長い」「点滅じゃなく流れるタイプ」も許されるワケ

 近年ではシャープなデザインのウィンカーを採用するモデルが増えています。そこにはどのような理由があるのでしょうか。また、どんどん進化するウィンカーのデザインですが、その形状や光り方などについて法規制はあるのでしょうか。

シャープなデザインのウィンカーが増えた理由

 ウィンカーは、道路運送車両法によって公道を走るすべてのクルマに搭載が義務付けられている、最重要保安部品のひとつです。

 一方でエクステリアデザインにおけるアクセントとしての役割も担っており、形状や配置に工夫をこらしたモデルが多く見られます。

 特に、近年ではシャープなデザインのウィンカーが主流となっています。かつては「長方形」もしくは「円形」が主流だったウィンカーの形状は、なぜ変化したのでしょうか?

「ワンタッチウインカー」 便利だがデメリットもあり(画像はトヨタ「プリウス」)
「ワンタッチウインカー」 便利だがデメリットもあり(画像はトヨタ「プリウス」)

 ウィンカーの形状にもっとも大きな影響を与えたのは「LEDの普及」と言われています。

「電球」を筐体内で反射させる構造が主流となっていたウィンカーに対し、LEDを採用するモデルが見られるようになったのは2000年代後半のことです。

 ただ、当時のLEDは電球と比べてコストが高く、品質も不安定であったことなどから、ウィンカーにLEDを採用するのは一部のモデルに限られていました。

 しかし、2010年代中頃にはそうしたデメリットは徐々に解消され、消費電力が少なく燃費向上に貢献することや、デザインの自由度が高いことなどといったLEDの持つメリットが注目されるようになりました。

 さらに、近年のLEDはより小さな光源で安定した光量を持つため、細長いシャープなデザインであっても必要十分な光量を担保することが可能です。

 また、LEDウィンカーは電子制御によってさまざまな点灯方法が可能であるため、いわゆる「流れるウィンカー」と呼ばれる「シーケンシャル・ウィンカー」や、マツダが採用している、同社いわく「パッと光って、ジワッと消える」スタイルの「ディミング・ターン・シグナル」など、より近未来的なウィンカーを持つモデルも登場しています。

 その結果、現在では、コストパフォーマンスを最重要視する一部のモデルをのぞき、多くのモデルでLEDウィンカーが採用されており、こうした流れは今後も続くと見られています。

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