ついに初出動「レッドサラマンダー」 消防庁の切り札、その驚異の性能とは?

津波や地震といった災害時に、一般の消防車両が進入困難な場所での救助活動などに従事する消防車両「レッドサラマンダー」。全地形対応といいますが、どのような車両なのでしょうか。

出動しなくても果たす役割が

「レッドサラマンダー」について、岡崎市消防本部 消防課に話を聞きました。

――6月21日に初めて出動されたそうですが、どのような任務をこなしたのでしょうか?

 岡崎市内に大雨・洪水警報が発令されたため、12時50分に本部を出動し、管轄区域に山間部を多く抱える東消防署額田出張所へ向かい、待機していました。結果的に想定していた土砂災害は発生せず、16時45分に任務を解除しました。

――災害が発生していた場合、どのような任務を行っていたのでしょうか?

 土砂崩れが起きるなどして、一般的な消防車両が入れなくなった地域に土のうを運んだり、孤立した住宅への救援を行います。

――最高速度50km/hとのことですが、現場へはどのように向かうのでしょうか?

 燃費が1km/Lとあまり良くないこともあり、専用搬送車両を使って目的地まで搬送します。一般的な消防車両と違って小回りが利かないため、これから徐々にすみ分けを考えていきます。

――緊急出動時以外で見る機会、たとえば一般公開されることなどはあるのでしょうか?
 年によってバラつきはありますが、年間で10回程度、公的な訓練で見ることができます。多くの「レッドサラマンダー」ファンが詰めかけますよ。

――一般市民の反応はどのようなものでしょうか?

 コアな消防車両ファンだけでなく、幅広い年齢層に人気ですね。当消防本部に直接見に来る人も多く、平日の昼間にアポイント無しで、という人もいます。市内の小学校の生徒さんも社会科見学で何百人と来ます。来られた人たち全員に、あわせて防災に関する話もしているので、来場者の防災意識の向上にもつながっているのではと感じています。

※ ※ ※

 活用方法については、まだ検討の余地が残る「レッドサラマンダー」ですが、前出のモリタや岡崎市消防本部も「災害が発生しないことが一番です」と話しています。

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