首都高の「通行止め」なぜ長引く? 東名や東北道とは違う「都市高速ならでは」の事情
首都高の一部区間は、雪の影響で通行止めが続いています。なぜ解除まで時間がかかるのでしょうか。
首都高は除雪が大変
関東甲信地方を中心とした雪の影響で、首都高の一部区間は2月7日午前も通行止めが続いています。ほかの高速道路より時間がかかるのは、首都高ならではの事情があります。
首都高の通行止め区間は次のとおりです。
●首都高の通行止め区間(7日正午現在)
・1号上野線:全線
・2号目黒線:全線
・3号渋谷線:下り全線(上りは通行可)
・4号新宿線:下り全線(上りは通行可)
・5号池袋線:全線
・S5大宮線:全線
・S2新都心線:全線
・C2中央環状線:大井JCT~熊野町JCT(山手トンネル区間)、板橋JCT~江北JCT
このほか、一部の出入口も閉鎖が続いています。
首都高は6日17時の時点で、国土交通省関東地方整備局の除雪班(除雪車、ダンプ、ショベルカー)24班、NEXCO東日本のダンプ33台とショベルカー1台、NEXCO中日本の除雪班(除雪車、ダンプ、ショベルカー)6班などの応援派遣を受けながら除雪・排雪作業を進めており、7日朝までに全区間の通行止めを解除していく予定としていました。
しかし、一部の路線の除排雪作業に時間を要しているといいます。
その理由として、首都高ならではの事情があります。
まず、路肩が狭いということです。限られた区間に造られた首都高は、ほとんどの区間で路肩が狭くなっています。そのため、車道に積もった雪を路肩に寄せることが難しく、取り除く必要が生じます。
しかも一般道の上を走る高架区間は、雪を下に落とすわけにはいかないため、一層の注意を要します。しかも高架橋は地熱で雪が溶けにくいという特徴もあります。
また、側壁の続く区間やビルの谷間は日影も多く、雪を溶けにくくします。
さらに今回降った雪は湿っていて重く、残った雪も凍りやすいため、人による作業も大変です。
一方、空の見えないトンネルは雪の事情をほとんど受けませんが、通行止めが続く中央環状線の山手トンネルの場合、出入口が急勾配であり、過去に雪で立ち往生するクルマが相次ぎました。そのため今回も5日の早い段階で「予防的通行止め」が実施されました。
国土交通省や首都高は、冬タイヤにするよう強く呼びかけていますが、東京都心はクルマが多く、首都高の出入口も多数存在するため、一台ずつチェックすることは現実的に不可能といえます。
首都高はこうした複数の“逆境”が重なるため、東名高速や東北道といった一般的な高速道路より、除雪作業に時間がかかってしまいます。
首都高は「引き続き、早期解除を目指して作業を進めてまいります」としています。
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