「ガバっ」と開く“斬新ドア”採用! 超レトロなトヨタ「ミニ・センチュリー」の正体は!? “熟練職人”手作りの「小さな高級車」が凄かった!

レトロなデザインが特徴的なトヨタ「オリジン」は、熟練の職人の手作業によって組み上げられた、まさに「ミニセンチュリー」いえる小さな高級車でした。

熟練職人が手作りした「レトロ風モデル」

 2000年に登場したトヨタのコンパクトセダン「オリジン」は、丸いヘッドライトを装備したレトロなデザインが特徴のクルマです。
 
 今となってはかなり珍しい部類の存在ですが、それ以上に個性的かつ目立つデザインのため、運良く街を走っているオリジンを見た人は思わず目で追いかけてしまかもしれません。

トヨタ「オリジン」
トヨタ「オリジン」

 オリジンは、トヨタが国内で自動車生産累計1億台を達成した記念事業のひとつとして、2000年に発売されました。

 最大の特徴は、初代「トヨペット・クラウン」をモチーフにしたというレトロなデザインです。

 ベース車はトヨタの4ドアノッチバックセダン「プログレ」ですが、全てのボディパネルが変更されており、最上級セダン「センチュリー」の生産も担う熟練の職人の手作業によって往年の名車の意匠が完全に再現されています。

 例えば丸いヘッドライトやシルバーの大きなバンパーを配したフロントマスクは、まさに初代トヨペット・クラウンの生き写しです。

 さらに車体構造にまで手が加えられた結果、左右リアドアは後ろヒンジ式に刷新され、フロントドアと合わせてレトロな「観音開きタイプ」のドアを実現しました。

 また、ピラー側に大きく湾曲した曲率の強いバックウインドガラスなど、かつての旧車に用いられていた特徴的な機能も忠実に再現しています。

 インテリアは、ベース車であるプログレの内装が広く流用されているものの、専用の本革シートや本木目パネルを用いることで、オリジンならではの高級感を獲得しています。

 パワーユニットは、プログレにも採用していた3.0リッター直列6気筒エンジンが搭載され、最高出力215馬力を発揮。ロックアップ付き4速ATを組み合わせます。

 もちろん最新(当時)のクルマらしく、エアバッグやVSC、ABS、ブレーキアシストといった安全機能はしっかりと完備。

 旧車と最新モデルの魅力をうまく融合させることに成功していたといえるでしょう。

 このオリジンは、1000台限定、2001年3月まで販売、さらに新車価格は700万円となかなか厳しい条件でしたが、記念モデルということもあってか完売となりました。

 発売から20年以上経過した今では現存数も少なくなっており、街で見かけたらかなりラッキーといえるレアなクルマとなっています。

※ ※ ※

 ちなみに中古検索サイトでオリジンを探すと、限定モデルにもかかわらず意外にも出品件数は多く、2024年1月時点で20台ほど確認できました。

 また、価格は安いものだと100万円台と、思ったよりも手頃な印象です。

 往年の名車を現在の技術・安全性能で再現した「レトロ風モデル」に興味がある人は、一度販売店に足を運んで実車を見てみてはいかがでしょうか。

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