「パトカー」にも「リコール制度」あった!? 過去には「サイレン鳴らない」届け出も! ユーザーにもありがたい制度の仕組みとは
ユーザーからの「ホットライン制度」も有効活用したい
このような届け出の中には、ちょっと変わったリコールもあります。
2021年12月に行われたトヨタのリコールは、「クラウンパトロールカー」において「サイレンが鳴らなくなる」というものでした。
原因は、サイレン用のアンプの制御プログラムが不適切なため、サイレンを吹鳴せずにマイク音量を最大で使用すると、当該アンプに過電流が流れ、ヒューズが切れ、サイレンが吹鳴しなくなることがあるというものでした。
緊急走行時に他のクルマにパトロールカーの存在を知らしめることができなくなり、大変危険な状況になって安全を担保できないということから、リコール届出がなされています。
なお対策としては、サイレン用の制御プログラムを対策仕様に修正することで改善できるとのことでした。
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自動車メーカーは、ユーザーに加え、メーカーやディーラーの大きな負担となるリコールはなるべく起こさないように開発・製造を行っています。
しかし、そうはいっても工業製品である以上、隠れた不具合をすべて事前に予見することは難しく、結果としてリコールは毎月のように発生しているのが現状です。
だからといってリコール隠しを行ってしまうのは論外。
車両に不具合が発生した場合、自動車メーカーからリコール届出が行われること自体は、ユーザーが愛車の不具合を改善でき、安心してクルマに乗り続けられるためには非常にありがたいことでもあることは事実です。
リコール修理は手間がかかりますが、事故を未然に防ぐという観点からも積極的に協力したいところです。
なおリコール届出は多くの場合、ユーザーが事前に自分のクルマに発生した不具合をディーラーなどに伝えることで、不具合が顕在化し、自動車メーカーが不具合の調査、改善していく形で進められます。
そのためもしクルマを購入後、使用中に何らかの車両の異常や不具合が発生した場合は、速やかにディーラーに相談をするか、国土交通省の「自動車不具合ホットライン」(0120-744-960)や公式ウェブサイトへの入力で、不具合情報をお知らせすることが大切です。
早期に異常・不具合情報が集まることで、自動車メーカーが不具合の実態、規模をいち早く把握し、その要因・改善対策を進めることができ、結果として、事故を未然に防ぐことにつながります。
何かおかしいなと思ったらそのまま放置したりせず、不具合の情報を提供するように心がけましょう。
パトカーにリコール制度が適用されない、って誰が言った?!
なお、情報提供にあっては自己の都合の良い部分だけを切り取って車両に問題が有るかのような含みを入れて投稿したりせず、正しい詳細で客観的な内容にするべきである。