なぜ「ホンダの技術」はマネされない? 他社が採用しない理由があった! 独自開発した「センタータンクレイアウト」の凄さとは

簡単にマネできない!? なぜ?

 このように、ホンダのセンタータンクレイアウトは、広い居住空間を確保したいコンパクトカーには欠かせない技術です。

 そのため、コンパクトカー開発しているメーカーからすれば、ホンダと同じようにセンタータンクレイアウトを採用したいところですが、この技術はホンダが特許を取得していた独自技術なので、採用することは簡単ではありませんでした。

 その一方で、ホンダと提携し技術供与を受けることができれば使うことができました。

センタータンクレイアウトを採用したホンダ新型「N-BOX(3代目)」
センタータンクレイアウトを採用したホンダ新型「N-BOX(3代目)」

 実際に、三菱はセンタータンクレイアウトの技術供与を受け、2006年に同技術を用いた軽自動車「i(アイ)」を発売しました。

 同車は燃料タンクを座席下に配置することで、後部空間の拡大化に成功しています。

 ちなみに、ホンダの特許技術だったセンタータンクレイアウトですが、現在は特許の期限が切れているとのこと。

 しかし、センタータンクレイアウトを採用した他メーカーのモデルは、現在のところ先述したi(アイ)のみ。

 その理由としては、技術の採用にあたって「プラットフォームの見直しが必要」となる点が挙げられます。

 技術供与を受けることでセンタータンクレイアウトは採用できるものの、実際に搭載するにはプラットフォームの大幅な見直しが必要になり、それだけコストがかかります。

 そのため、他メーカーは別の技術を開発するなどして、センタータンクレイアウトに頼らないかたちで車内空間の拡大に挑戦しているのです。

※ ※ ※

 燃料タンクをフロントシート下に配置するセンタータンクレイアウトは、20年以上にわたり採用されているホンダを代表する技術でした。

 現在は特許の期限切れから他メーカーも使用することはできるものの、導入にかかるコストなどを考えると、おいそれとは採用できないようです。

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Writer: 大西トタン@dcp

(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。

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