クルマで道路を走行している際、上部に四角いカメラが設置されているのを見たことがある人もいるかもしれません。
　
　この正体として、速度違反を取り締まる「オービス」は比較的知られていますが、オービスによく似た「Nシステム」と呼ばれる装置も存在します。では一体何をする機械なのでしょうか。

　道路の上部に設置されているカメラのひとつにオービスがあり、正式には「速度違反自動取締装置」といいます。

　オービスは、名称の通り走行する車両の速度を測定し、一定の速度以上で走行する車両を速度違反車両として自動で写真撮影し記録化する装置です。

　具体的には、カメラ設置地点で速度違反をしたクルマとそのナンバー、運転者の顔などを撮影し、警察官がそれらの情報をもとにスピード違反を捜査し検挙します。

　一方でオービスによく似たNシステムとは、「自動車ナンバー自動読取装置」と呼ばれる装置です。

　自動車を使った犯罪や自動車盗難の犯人を検挙する目的で、通過する自動車のナンバーを自動的に読み取り、手配されている車両のナンバーと照合するシステムとなっています。

　仮に手配されている盗難車両がNシステムの前を通過すると、その情報が警察に知らされ、犯人を捕まえる手がかりとなります。

　オービスでは速度違反車両のみを撮影するものの、Nシステムではその地点を通行するすべてのクルマが撮影される点が大きく異なりますが、Nシステムは速度の測定は行わず、運転者や同乗者の顔なども記録されないことになっています。

　また、犯罪捜査や容疑車両の追跡に使われる目的から、犯罪の発生からその犯罪に関わる車両の特定に時間がかかることが想定されるため、Nシステムによって得られたナンバー情報は、一定期間保存されており、その後消去されます。

　このように、両者はそれぞれ通行する車両を撮影している点は共通しているものの、その目的は大きく異なっているということが分かります。