高速道路「謎の緑地」何のため!? 「癒し」だけじゃない? 中央分離帯の「木々」に求められる「役割」とは

高速道路の中央分離帯に設けられた緑地の植栽は、いくつかの目的があるといいます。ドライバーを癒したりする以外にどういった狙いがあるのでしょうか。

対向車線のライトの眩しさを軽減し、さらに「地球温暖化」抑制にも貢献!?

 高速道路の中央分離帯には、植栽が設けられている区間があります。
 
 この植栽には、単にドライバーを癒す以外にも、設置される目的があるといいます。

当たり前のようにある中央分離帯の「謎の緑地」にも「狙い」があった!?[画像はイメージです]
当たり前のようにある中央分離帯の「謎の緑地」にも「狙い」があった!?[画像はイメージです]

 高速道路に加えて一般道でも、道路の中央分離帯は植栽などによって緑化されていることが多いです。

 この植栽は、剪定や雑草の処理などの手入れが定期的に必要となることから、道路の右側の車線が規制され、渋滞の原因になってしまっていることもしばしば。

 にもかかわらず、中央分離帯が緑化されている理由について、公益財団法人高速道路調査会「高速道路における緑の価値の定量的評価に関する調査研究」報告書には、次のように記されています。

「(中央分離帯の緑化には)対向車のヘッドライトによる眩しさを防ぐばかりではなく、ドライバーの緊張をほどよく和らげ、精神的な安定をもたらし、視線誘導の役割も果たして安全運転につながる心理的な効果がある」

 また、中央分離帯だけでなく、のり面やインターチェンジ、サービスエリアなどとともに「グリーンインフラ」として、地球温暖化の抑制や生物多様性の保全を狙いとするほか、景観を良くすることで地域の風土に触れ、また訪れたい、走ってみたい道路とする目的があるといいます。

 しかし前述したように、手入れの際には右側車線が規制されることになり、渋滞が発生してしまっていることも少なくありません。

 先の報告書においてもその点は問題視しており、「植栽管理の省力化、新たな緑化手法などの技術開発をさらに進め、持続可能なかたちで美しく風格ある走行空間を維持したい」としています。

 確かに、緑が多いことは美しい景観につながり、地球温暖化の抑制にもある程度はつながるはずです。

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