なぜMT残した!? スズキ新型「スイフト」まさかの5速MTあり! 販売比率5%弱でもあえて「MT継続設定」した理由とは
スズキが4代目となる新型「スイフト」を発売します。そのなかで、5速MT車が継続設定されることが明らかになったのですが、販売比率が多くないにもかかわらず、なぜラインナップされたのでしょうか。
マイルドハイブリッド×5速MTはスズキ国内初!
スズキのコンパクトカー「スイフト」がフルモデルチェンジし、4代目モデルが2023年12月13日より発売されます。
スイフトは、スタイリッシュなデザインやキビキビとした走りがグローバルで高く評価されているスズキの世界戦略車です。
新型スイフトは一目見たら印象に残るデザインを目指しており、外観はクルマ全体を包み込むラウンド形状が先進的なイメージを表現しつつ、空力性能も考慮したスタイリングを実現しました。
内装は、インパネとドアトリムをつなげた形状とすることでドライバーとクルマの一体感を表現。高級感のあるインテリアも特徴です。
インパネ中央に配置されるオーディオやエアコンパネル、スイッチ類などをドライバー側にやや傾けたレイアウトを採用するなど、使いやすさが考慮されました。
新型スイフトは安全装備が大きく進化し、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合せた「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用しました。
「デュアルセンサーブレーキサポート」や「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」、「アダプティブハイビームシステム」、「アダプティブクルーズコントロール」など、先進装備を充実させています。
また、電動パーキングブレーキをスズキのコンパクトカーで初めて搭載しました(最上級グレードのみ)。
パワートレインは、新開発の高効率な1.2リッターエンジン3気筒エンジン(Z12E型)とCVTを採用。ガソリン仕様とマイルドハイブリッド仕様が用意されます。
さらに、従来モデルから設定されていた5速MT車が継続設定されました。
従来モデルの3代目スイフトの場合、MT比率は5%弱と決して多くはありません。そのうえで、なぜ新型スイフトにも5速MT車が設定されたのでしょうか。
スズキの商品企画担当者は、「新型スイフトを開発するうえでさまざまなお客さまの声を聞いたのですが、そのなかでMTを残して欲しいという声が多くありました。工場の生産体制なども考慮し、新型スイフトにMTを残そうという判断になりました」といいます。
スイフトのユーザーは若い世代が多く、これはライバル車にはない強みとなっているのですが、「自分でギア変速をするとクルマをコントロールしている感じが楽しい」と感じている若いユーザーが一定数存在することが分かったそうです。
歴代スイフトは、コンパクトで扱いやすボディやスポーティなデザイン、手が届きやすい価格などにより、若者を中心に幅広い層のユーザーから支持を得てきました。
新型スイフトではこれらの特徴を継承しつつ、さらに安全装備や先進装備を充実。そのうえで、走りの楽しさを感じられるMT車がラインナップされたということです。
ただし、このMT車はスポーツ感を演出するためではなく、運転を楽しむためのものだといい、より一層スポーティな走りを求めるのであれば、今後登場するであろう新型「スイフトスポーツ」のほうが適しているでしょう。
近年、MT車の設定が減少しており、そのなかでもスポーツカーに関してはMT車の選択肢があるものの、通常のモデルでMT車が選びにくくなっている現状があります。
MT車のスポーツカーはパワフルだったり価格が高いことからユーザーが限られることもあるため、気軽に乗れるモデルとして新型スイフトにMT車を設定することにより、その魅力を訴求したいという狙いがあるようです。
さらに、現代のクルマとして環境性能を重視する必要があり、マイルドハイブリッド仕様の5速MT車をスズキの国内モデルとして初めて設定しました。
5速MT車は、新型スイフトで唯一のエコカー減税100%の対象車です(ほかのモデルは50%の減税)。
また、燃費(WLTCモード)は、新型スイフトのなかでもっとも低燃費な25.4km/Lを達成しています。
なお、5速MT車は中間グレードの「HYBRID MX」に設定されており、電動パーキングブレーキではなく、手引き式のサイドブレーキを採用。
アダプティブクルーズコントロールも装備されますが、渋滞時などの低速域での追従機能や停止保持機能は備わっていません。
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新型スイフトの5速MT車の価格(消費税込)は192万2800円。2WDのみの設定です。
CVT車の発売から約1か月後の2024年1月17日に販売が開始される予定です。
>MTを残して欲しいという声が多くありました
スイフトスポーツではないノーマル者において3ペダルを出し続けるという事は、やはり豊田会長以後のトヨタのWOWな車づくりのすごさ、運転の楽しさの追求が消費者にも浸透しそしてまたスズキ本体へも影響しているのでしょう。
ありがとう、トヨタ。ありがとう、豊田会長。