2年目の新生「ラリージャパン」はどうだった? ラリー認知は拡大? 勇姿見せた勝田貴元選手が振り返る

貴元選手、2024年シリーズはどう戦う?

―― 貴元選手にとって、今回のラリージャパンはスゴく悔しい戦いだったと思います。しかし、僕はあのクラッシュこそが、ラリーに疎い日本の人たちに、『ラリーとはこういうモノだ』をよりリアルに伝えたと思っています。

 貴元:そう言われると、その通りだと思いました。

 確かに『ステージ走行中のトラブルはドライバー/コドライバーが修復する』、『ラリーは生き残ることが大事』、『サービスパークではメカが時間内に修復』と言った事は、話では聞いた事はあっても実際に見た事がない人が多い。

 そういう意味では、日本人にとってラリーを色々な角度で知ってもらえる導線にはなれたかなと感じました。そう言っていただけて、自分の中の心のモヤモヤが少し晴れました。

―― 来期はレギュラードライバーとして全戦に臨みます。2023年の王者であるカッレ・ロバンペラ選手がフルタイム参戦しないため、チーム内ではエルフィン・エバンス選手に次ぐナンバー2の重要なポジションです。

 貴元:今年は昨年よりもランキングは下でしたが、パフォーマンス的には上がった部分がたくさんあったと思っています。

 自分の中では非常に苦戦し、出したい結果とは異なる部分があったものの、今後の自信に繋がる一年だったような気がしています。

 そういう意味では、来シーズンは自分の力を証明する重要な年だと認識しています。

 表彰台に常に登れるように、そして優勝するためにフルでアタックします。そしてシーズンを通して成長できるように頑張りたいと思います。

2024年はフル参戦の勝田貴元選手
2024年はフル参戦の勝田貴元選手

―― ラリチャレの開会式で同じくデモランのドライバーとして来たWEC代表兼ドライバーの小林可夢偉選手が「僕も来年のラリージャパンに出たい」と宣言していました。彼もWRCジャパンを見て感化されたようですが、何かアドバイスがあれば。

 貴元:(笑いながら)マジですか? いきなりは結構難しいので、まずは色々なラリーに出たほうがいいです。

 ドライバーなので「遅く走れ」、「抑えて走れ」と言われても無理です。

 レーシングドライバーは何が遅い、何が速いかを一番理解しているので、どんどん限界に近づいちゃうと思います。

 そうなる前にラリーをある程度こなして、ラリージャパンに行ったほうが、たぶん落ち着いて楽しめるでしょうね。もう一度言いますが、いきなりはダメです(笑)。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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