なんで教えてくれないの? 「給油の方法」「パッシング」… 教習所で習わないドライバー間の「暗黙のルール」 指導しない理由とは
「パッシング」「クラクション」 トラブルの元にもなる合図は?
初心者で難しいのがクラクションの使い方です。これについても教習所ではあまり教えてくれません。
街中では信号待ちなどで発進が遅いとすぐに鳴らされることもありますが、状況によっては周囲のクルマにかなりのプレッシャーをあたえ、イラッとさせる原因にもなりかねないものです。
「そもそもクラクションはハザードと同様で非常時や山岳路などで周囲に自車の存在を知らせるためのものですから、決して感情表現の装置ではないのです。
それが原因で『あおり運転』を誘発したり、道を塞ぐ、急ブレーキをかけるなどの危険行為を誘発する可能性もあります。
余程のことがない限り、クラクションは使わないほうがいいでしょう」

さらに、初心者で難しいのがパッシングの使い方も挙げられます。よく右折時に道を譲ってくれるクルマがパッシングで教えてくれたりしますが、あれも教わっていません。
「これについても道路交通法では、適切なのか判断が難しいところです。しかも状況によっては道を譲ってくれたのではなく『先に行くぞ』という意味合いの場合もあります」
パッシングは状況によってその意味が異なり、多くの場合は対向車が譲ってくれる場合が多いのですが、一部では急いでいるから先に行かせてくれという強い意志を示す場合もあるようです。
しかし、教習中もしくは運転初心者がパッシングを使い、先行車を譲ったりする場面はあまりなく、こうした「ベテラン」のような技術を教えるよりも、確実な運転操作や道路交通法を教える時間に割き、運転経験を積むほうがいいのかもしれません。
パッシングも上手に使えば優しい運転になるのですが、ハイビーム状態が長すぎたり何度も行うと、こちらがあおり運転認定されてしまう可能性もあります。
このあたりは慣れの問題もあるとI氏は話しますが、手で合図したりなどほかの方法を使い、あまり過度に使わないほうが得策のようです。
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このように、教習所ではドライバー間のマナーや暗黙の了解というよりも、さらに重要な基本的な運転技術や知識を教わる場所なのです。
もちろん、運転経験を積むことにより慣れていけば心理的にも余裕が生まれるので、ファスナー合流やサンキューハザード、パッシングの使い方などをマスターするのも良さそうです。
むしろ教習所で教わったにもかかわらず、多くのユーザーが実施できていない日常点検(特にタイヤ)や、乗り降り・発進時に周囲の歩行者や障害物がないかの確認を徹底したほうが安全かもしれません。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。
























































