メーターに「謎の雪の結晶」出現!? 一体どんな意味? スイッチやシフトにも描かれる「雪マーク」とは?

クルマの表示でたびたび「雪の結晶」のマークが使われることがあります。使われている場所や、メーカーによって意味が違ったりするのですが、いったい何を表しているのでしょうか。

車内のいろいろなところに「雪の結晶」が存在!?

 クルマを運転していると、車内に「雪の結晶」のマーク(以下、雪マーク)を見かけることがあります。
 
 場所や表示のタイミングはメーカーや車種によってまちまちですが、一体どのような意味があるのでしょうか。

メーター内の「雪の結晶」何を意味する?
メーター内の「雪の結晶」何を意味する?

 さまざまなメーカーのたくさんの車種を取り扱う大手中古車販売店の元スタッフのY氏は、次のように話します。

「雪マークが表示されるほとんどの場合は『低温表示灯』です。つまり外気温が低くて路面が凍結の可能性があるので注意して運転しましょうという警告灯なんです。

 表示される場所は車種によって異なり、メーターパネルやマルチインフォメーションディスプレイ、外気温計やエアコンパネルなどさまざまです」

 メーカーによって表示される設定温度が違うものの、外気温がだいたい2度から4度で点灯するようになっているとのこと。

 ただ、外気温度の表示を見るとわかりますが、センサーの位置などもあり条件によって正しく気温を感知できないこともあるのだそうです。

「雪マークが点灯していなくても、外気温が低く路面が凍結している可能性もあります。あくまでも目安として考えるのが正解だと思います」(中古車販売店 元スタッフY氏)

 確かに、センサーがエンジンの熱を拾ってしまうなど、外気温計が実際の気温より明らかに高かったり低かったりする数字を表示することがあることから、表示の過信は禁物です。

 また、別の意味を示す雪マークもあります。

「たとえばホンダ車の『リアクティブフォースペダル』装着車は、雪道や凍結路でタイヤが滑ると、アクセルペダルの踏みごたえが重くなるポイントが変わるタイミングが早くなります。

 この機能が作動しているときに、マルチインフォメーションディスプレイに雪マークが表示されます」(中古車販売店 元スタッフY氏)

「またトヨタ車には、雪などでクリアランスソナーが汚れて機能しなくなるとマルチインフォメーションディスプレイに雪マークに囲まれた車体の画像が表示されるクルマがあります」(中古車販売店 元スタッフY氏)

 このように、近年のクルマでは凍結警告という意味をもつ雪マークだけでなく、降雪時に先進運転支援システムに何らかの作動制限が加わった場合、別の雪マークが点灯することもあります。

 そのためクルマを購入したら、やはり一度は取扱説明書に目を通しておき、どんなシチュエーションで雪マークが表示されるのかを知っておくことが大切になりそうです。

 また、雪マークはメーターや画面に表示されたり点灯する以外に、車内のパーツに初めから描かれているケースも存在します。そのひとつがエアコンのボタンです。

 このボタンはエアコンのスイッチにあたり、クルマによっては雪マークではなく「A/C」と表記されていることもあります。

 ボタンにインジケーターランプが付いている場合は点灯時がONの状態ですが、このときコンプレッサーが稼働しエアコン(冷房・除湿)としての機能を果たします。

 反対にランプ消灯時はOFF状態となり、ファンを回した状態では単なる送風となります。

 前出のY氏は、エアコンのON/OFFに使い分けについて次のように話します。

「エンジンの熱を利用する暖房はコンプレッサーがOFFでも効くので、燃費を考えたらOFFにするのが正解です。窓が曇ったら除湿のために雪マークボタンを押してONにします」

 ほかには、AT(オートマチックトランスミッション)のシフトレバー付近に雪マークの描かれたボタンやスイッチが備わるクルマもありますが、これはATのモード切り替えスイッチで、雪マークは「スノーモード」の意味。

 2速から発進するようになったり、穏やかな変速パターンになるなど、雪道では禁物な「急」な加速が制限されるようになります。

「モード切り替えといえば、プジョーの『アドバンス・グリップ・コントロール』やランドローバーの『テレインレスポンス』など、走行モードのセレクトダイヤルにも雪マークはあります。

 さまざまな路面状況への対応を迫られるSUVらしい装備で、ダイヤルを雪マークに合わせると雪道を走行するセッティングへと変更されます」(中古車販売店 元スタッフY氏)

※ ※ ※

 冬が近づくにつれて気温が下がり、地域によっては雪マークの表示を見たり、雪マークのスイッチのお世話になるのではないでしょうか。

 路面の凍結に注意を払いつつ、安全運転を心がけましょう。

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