1996年式のホンダ「シビッククーペ」が北米のオークションサイト「cars & bids」に出品され、2023年9月、3800ドル（約56万円）で落札されました。これについてSNSではどのような反響があったのでしょうか。

　シビックシリーズは、1972年の発売以来、世界で累計約2700万台を販売しているグローバルモデルです。初代は米国の通称「マスキー法」が定めた極めて厳しい排ガス規制を当時初めてクリアした画期的なエンジンを搭載し、車名の通り「市民の」クルマとして人気を集めました。

　米国では、1992年からクーペモデルが現地生産され、カスタムカー市場で格好のベース車となります。今回落札されたシビッククーペも、その頃の時代を色濃く反映した改造車です。

　ベースは6代目シビッククーペ（EK型）の標準モデル「DX」で、パワートレインは最大出力106馬力と103lb ftを発揮する1.6リッターエンジンに5速MTを組み合わせています。

　しかし現状は、原型をとどめないほど広範囲にわたってカスタムが施されています。

　オーバーフェンダーやドアハンドルのスムージングなど、ボディパネルを加工。さらにヘッドライトは日産「スカイライン」（R34型）、フロントグリルとバンパーダクト（通常はフェンダーに取り付けられているもの）はBMW「M3」、テールランプはレクサス「SC430」から移植しています。

　インテリアは、真っ赤な赤色のなかに白い手形が散りばめられた、夢に出てきそうな極めて個性の強い空間に変貌。さらにエアコン吹き出し口やドアなどに液晶モニターを計8枚設置し、トランクにはパワーアンプやウーハーを搭載するなど、大がかりなシステムも組まれています。

　また、運転席正面のメーターは中央に、エアコン操作パネルは助手席側のダッシュボード下部に、オーディオ操作パネルは運転席正面に移設。

　サスペンションはエアサスに換装され、5ZIGEN製マフラーやAEMエアインテークなども装備しているなど、遊び心を惜しみなくつぎ込んだ「全身改造マシン」です。

　SNSでは、「カスタマイズする技術はあるけどセンスがなかった…残念」「何でも付けりゃいいったわけでもないんだがな」「これ作った人って物凄くセンス無いよね（笑）」「ダサさを追い求めてる車だとしたら最高の出来だと思う」「趣味の悪い車にしか見えない」など、辛辣な評価が多数並びました。

　ただ一方で、「自己満の世界なので本人が楽しければ良いのかな」「無趣味でつまらん人より人生を楽しんでるようでいいですね」「本人さんが良いと思ってるなら良いだろー。価値観なんて千差万別ですよ」など、一定の理解を示す人も複数いました。