ホンダ新型「プレリュード」の登場は2024年か!? スポーティな「タイプS」もアリ? “シビック”とメカニズム共用で誕生する可能性とは

ホンダは2023年10月25日、新型「プレリュードコンセプト」を世界初公開しました。往年の名車の名称が用いられた同車なだけに大きな注目を集めましたが、このモデルの市販版となる“新型プレリュード”の登場は意外にも近そうです。また現行「シビック」と深い関係を持つクルマとなる可能性が大いにあります。

新型「プレリュード」登場は意外と近い? 「タイプS」もアリか

 ジャパンモビリティショーのプレスデー(2023年11月26日)に、サプライズモデルとして公開されたホンダ新型「プレリュード コンセプト」。

 プレリュードとは昭和の終わりに一世を風靡したスペシャルティカー(若者がデートに使うクルマだから「デートカー」とも呼ばれた)に使われていた車名で、20年以上ぶりの復活に懐かしい響きと感じる年配の人も多いことでしょう。

ホンダ新型「プレリュード」はまもなく登場なのか
ホンダ新型「プレリュード」はまもなく登場なのか

 新世代のプレリュードはショー展示だけのコンセプトカーと思いきや「2020年代半ばの市販化に向けて開発中」とのこと。すなわち絵に描いた餅ではなく市販前提の車両なのです。

「2020年代半ばに市販化」といえば発売はけっこう先のようにも思えますが、よくよく考えてみると“2020年代半ば”がさすのは2024年から25年というのが一般的。2025年を過ぎると普通は「2020年代後半」表現するので、新型プレリュード2024年内には発売するのではないかというのが関係者と話を交わして感じた筆者の印象です。

 実際に車両を見ると、ワイパーが備わり(窓に濃いスモークが張ってあるけれどよく見ると)内装も作りこまれているなど、コンセプトカーというよりは開発後半の試作車といった雰囲気。作りこまれているにも関わらず内装が見えにくいようにしてあるのは、すでに仕様が決定していつつ、まだ公開段階ではないからと考えられます。

 また、車体裏面をのぞき込んでも、すでに市販車レベルの完成度でした。

 パワートレインは「電動パワートレイン」とのこと。「EV」と断言しないところをみるとハイブリッドと考えていいでしょう。現行モデルの「シビックe:HEV」に搭載している2.0Lエンジンを組み合わせた2モーター式のハイブリッド(e:HEV)の可能性が高そうです。

 同ハイブリッドの最新版(シビックe:HEVのほかZR-V e:HEVにも搭載)は、広範囲をモーター駆動で走りながらも加速中はエンジン回転と速度上昇がリンクし、疑似的なシフトアップをおこなうなどガソリンエンジン車のようにキレのいい爽快なフィーリングが特徴。それが同社の三部社長がプレリュードの紹介で話した「本格的な電動化時代へ“操る喜び”を継承する、Honda不変のスポーツマインドを体現するモデルの先駆け」がさすもののひとつと考えられます。

 一方このモデルは、車体構造はシビックとの関連が深いモデルとなりそうです。北米には「シビッククーペ」というシビックの2ドアクーペモデル(現行世代はまだ登場していない)が存在しますが、その先代(基本骨格は現行世代と同じ)とこのプレリュードを真横から見比べると、シルエットがほぼ同じなのです。

 つまり、北米向けシビッククーペの(まだ登場していない現行世代)と今回お披露目されたプレリュードは、メカニズムだけでなく車体を共用する可能性が高いといえるでしょう。ちなみに、モビリティショーに出展されたプレリュードの開発責任者は現行シビックの開発責任者と同じエンジニアです。

 もし筆者の読み通りにプレリュードがシビッククーペと兄弟関係にあるモデルなら、せっかくなので「シビック タイプR」のユニットを搭載しつつちょっとマイルドな大人の高性能仕様を用意してはいかがでしょうか。

 プレリュードは電動化ユニットが必須というなら、そこに小型モーターを追加したマイルドハイブリッドとしてシビック タイプRとの差別化をするのもいいかもしれません。その際の名前はやっぱり「プレリュード タイプS」でしょうか。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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