なぜ「真っ直ぐ」じゃない? 斜めの横断歩道が愛知県に存在! あえて斜めにしている理由とは

鋭角横断歩道の設置、効果はどうだったのか?

 さらに、鋭角横断歩道を設置したことによる事故減少効果については次のように説明しています。

「県内32か所のうち、信号機の新設時に鋭角横断歩道を整備した6か所を除き、改修をおこなった26か所において、交差点や交差点付近での歩行者・自転車に関連する人身事故の件数が減少しました。

 具体的には、鋭角横断歩道の設置前1年間の件数が17件、設置後1年間の件数が7件という結果でした。

 ただし、鋭角横断歩道に改修したほとんどの場所で、改修にあわせて道路標示の補修、信号灯器のLED化など他の事故抑止対策もおこなっています。

 その総合的な対策の効果も交通事故が減少した要因の一つと考えております」

 このように鋭角横断歩道に加え、他の道路環境を整備したことも事故抑止につながったものとみられます。

愛知郡東郷町大字春木字音貝地内 音貝小学校西交差点{写真:愛知県警察提供}
愛知郡東郷町大字春木字音貝地内 音貝小学校西交差点{写真:愛知県警察提供}

 また、今後の鋭角横断歩道の設置方針に関して前出の担当者は次のように話しています。

「現時点で整備予定はありませんが、歩行者横断中の交通事故発生の実態や右左折車両の通行実態等を踏まえ、効果が期待される交差点においては整備を検討していきたいと考えております」

※※※

 鋭角横断歩道を整備すると、クルマのドライバーが歩行者・自転車を発見しやすくなるという効果があります。

 今後も、鋭角横断歩道のように交通工学に基づいた画期的な事故抑止対策が期待されます。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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