「プリウス」「ハリアー」買うならPHEVのほうがお得!? HVより車両価格が高いのになぜ? 意外なカラクリとは?
PHEVのほうが安く買える理由とは?
しかしPHEVは、EVに準じた経済産業省による国の補助金が設定されています。プリウスPHEV、ハリアーPHEVともに補助金額は55万円です。
前述の、PHEVの正味価格から補助金額を差し引くと、最終的な価格差はプリウスPHEVが25万円、ハリアーPHEVが31万円まで縮まります。
PHEVの補助金額は、ハイブリッドとの価格差を考えると多額です。PHEVとハイブリッドの価格差のうち、半額以上が交付されるからです。
さらに自治体によっては経済産業省とは別枠の補助金も交付され、例えば東京都の場合、プリウスPHEVやハリアーPHEVに50万円を交付(メーカー別上乗せ額の5万円を含む)。国の補助金と合計すれば105万円に達します。
そうなるとプリウスPHEVの場合、先に挙げたPHEVの正味価格が80万円ですから、105万円が交付されるとプリウスのハイブリッドZを買うよりも25万円安くなります。国と東京都の補助金を両方ともに受け取れる場合、PHEVは格安です。
しかも現時点で販売されているトヨタのPHEVは、ハイブリッドよりも動力性能が高いです。プリウスZは、2リッターエンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は196馬力ですが、プリウスPHEVは223馬力に向上します。
ハリアーもハイブリッドの4WDはシステム最高出力が222馬力ですが、PHEVは306馬力と大幅にパワフルです。
このようにプリウスやハリアーのPHEVは、1回の充電でエンジンを作動させずに90km前後を走行できるEVと同様の機能を備え、なおかつ動力性能もハイブリッドに比べて強化されているのです。
さらに経済産業省の補助金だけを受け取っても、ハイブリッドとPHEVとの実質価格差は25万円から31万円に縮まることから、PHEVは買い得なモデルといえます。
プリウスやハリアーを購入する際、ハイブリッドの最上級グレードを選ぶなら、PHEVの購入も検討してみると良いでしょう。
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ただし多額の補助金は、我々の税金で成り立っていることも事実。国の補助金が55万円で、東京都のように自治体として50万円を補助するのは、少し行き過ぎともいえるでしょう。
PHEVはEVと違ってエンジンを搭載するため、自宅に充電設備を持てない集合住宅に住むユーザーでも所有できますが、購買層の中心は一戸建てです。限られた人達のために、国と自治体が手厚い補助を行っているわけです。
自治体によってPHEVやEVの補助金額が大きく異なることを含めて、補助金制度を総合的に捉え直す必要があるともいえるのではないでしょうか。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
価格一緒だったらHV売れないよ。差あって当然のこと
なぜPHVが高いかって?素人でも解るよ!例えが悪いが軽自動車とクラウン比べると一緒の理屈じゃ
PHEVやハイブリッドがダメでBEVでなければならない合理的で論理的な理由ってすでに明示されていなければ禁止するなんていうのは茶番も茶番なんだけれど、なんなんだろうね(笑)