車の「オーディオ」どう進化した? 昔は「ラジオだけ」も今では「超高音質」? 音楽とともに変化する「カーオーディオ」とは

カーオーディオで好きな音楽を流しながらドライブを楽しむという人も多いかもしれません。現在ではさまざまな機能を取り揃えたカーオーディオが登場していますが、どのようなものがあるのでしょうか。

高機能・多機能化がすすむカーオーディオ どう進化した?

 ドライブの楽しさを底上げしてくれるアイテムのひとつにカーオーディオ(カーステレオ)があります。
 
 かつてはCDやカセットテープなどをクルマへ持ち込みましたが、現在は高機能・多機能化が進んでいます。どのような工夫が凝らされているのでしょうか。

ラジオから始まったカーオーディオ(画像はトヨタ「スターレット(KP71)」)
ラジオから始まったカーオーディオ(画像はトヨタ「スターレット(KP71)」)

 カーステレオの歴史と音声記録媒体の進化は切っても切れないものですが、日本でカーオーディオを初めて採用したのは、1955年のトヨタ「クラウン」(初代)のカーラジオが最初で、録音した音楽の再生機能などは持ちませんでした。

 1970年代に入ると、オープンリールをコンパクトにした8トラックテープ(8トラ)が登場。しかし、その後はより小さなカセットテープ(コンパクトカセット)が一般的になり、携帯性と耐久性というメリットがあったことからシェアを奪われていきます。

 カセットテープはテープレコーダーの普及とともに一般家庭に広く流通。録音機能付きの機器があれば好みの楽曲を気軽に録音でき、車載デッキで録音したテープを再生できるようになりました。

 その後もカセットデッキは進化し、頭出しやエンドレス再生など、当時としては画期的な機能で人気を博し、カーディオの人気を支えてきました。

 このときオーディオメーカーの自動車用オーディオ参入も活発化。音質やデザインなどにこだわるユーザーが、好みのユニットやスピーカーへ交換するなど市場も活気づいていました。

 そして1980年代中盤からはCD(コンパクトディスク)が登場します。デジタルデータになったことで、音質が著しく向上したことに加え、1枚のディスクに長時間の録音ができるようになり、次曲や前曲への切り替えがスムーズに切り替えられるようになりました。

 複数のCDをセットできる「CDチェンジャー」も普及し、6枚から10枚以上まで連続して再生できるようになり、長時間のドライブでも飽きずに楽しめるようになります。

 その後もDATやMD(ミニディスク)などさまざまな媒体が誕生しますが、2000年頃からカーオーディオは下火に向かいます。

 これは、音楽媒体のデジタル化が進み、MP3プレイヤーやApple「iPod」などの携帯オーディオプレーヤーの普及と、車内のデザイン向上のためにカーオーディオの規格サイズである「DIN」を採用するメーカーが減ってきたこともあり、オーディオユニットを交換できる機会も減りました。

 そして現代ではエアコンの操作やクルマのモニタリングなど、オーディオ機能をほかと一体化したマルチユニットで行っているので、オーディオのみを交換できる車種はかなり減ってきたといえるでしょう。

 さらに近年ではCDデッキなどが廃され、スマートフォンやUSBなどを接続して音楽を再生することが一般的になり、タッチパネルで各種車両設定やオーディオをユニット化した「ディスプレイオーディオ」を採用するケースも増えています。

 ではこのように気軽にオーディオユニットを交換できることが難しくなった昨今、カーオーディオはどのような進化を遂げているのでしょうか。

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