なぜナンバーに使われない「ひらがな」ある? 「謎の4文字」となる「お・し」以外の文字は…? 理由は?

ナンバープレートで使われない「4文字」ってなに?

 それは「お」、「し」、「へ」、「ん」の4文字です。

 では、一体なぜこれらの4文字が使われていないのでしょうか。

 国土交通省が公表している「ナンバープレートの現状について」という資料によると、ナンバープレートの基本的必要条件として、「視認性」や「記憶性」などが挙げられています。

 交通違反車両や無謀運転車両を特定するためには、瞬時にナンバープレートの表示内容が読み取れる高い視認性(見やすさ)。

 また容易に記憶できる記憶性(覚えやすさ)が重要であり、ナンバープレートにはこの条件に合ったひらがなが使われていると推察されます。

 そうしたことから、国土交通省の担当者によると、「その理由は諸説があるため、一概に理由を説明することは難しい」と言いますが、理由のひとつとして挙げられるのは「『お』は『あ』と見た目の区別がつきづらく、また『を』と同じ発音になる」という点です。

使われない4文字のひとつとなる「お」
使われない4文字のひとつとなる「お」

 字形や発音が似ていると、警察官やオービスといった機械による交通取り締まり、事故捜査などに支障を及ぼす可能性があるほか、電話や無線での報告を混乱させるおそれも考えられます。

 そのような事態を防止するため、「お」は使われなくなったといえるでしょう。

 次に「し」については「死」を、「へ」は「屁」を連想させることが使用されない原因だと言われています。

 日本ではホテルやマンションなどで4のついた部屋を作らないといった語呂合わせを重視する面があり、日本特有の文化が影響しています。

 また「へ」は「え」と発音が似ており、混同されやすい点も理由と考えられます。

 そして、4つめの「ん」に関しては発音しにくく、また電話による通報で聞き取りづらいため、採用されていないものとみられます。

 なお、視認性・記憶性の観点から、歴史的仮名遣いである「ゐ」や「ゑ」も使われていません。

※ ※ ※

 ナンバープレートは外部からの見やすさ、覚えやすさなどに配慮して製造されています。

 全国各地のナンバープレートの中には、地域名の漢字に特徴的な字体を採用しているケースもあるため、注目してみると面白い発見があるかもしれません。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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