なぜ「高速道路の路面」は常にキレイに保たれている? いつ誰が掃除してる? 意外と知らない「清掃作業」の実態とは
普段何気なく走っている高速道路ですが、実は安全に走行できるように、ゴミや落下物の撤去といった清掃が定期的に行われています。しかしどのような手順で清掃されているか、意外に知られていません。誰がどのように清掃作業をしているのでしょうか。
首都高では4台体制で清掃作業を行っている
普段、高速道路を走るときは、常に整然とした道を当たり前のように利用していますが、実は安全に走行できるように、ゴミや落下物の撤去といった清掃が定期的に行われています。
誰かが掃除してくれているであろうことは想像していても、具体的にどのような手順で清掃されているかは意外に知られていません。
どのようなタイミングで高速道路の清掃作業をしているのでしょうか。首都圏の大動脈である首都高速道路(以下、首都高)に聞いてみました。
まずは首都高のウェブサイトによると、安全な走行のために日々行われているのが、細やかな「点検」、損傷の「補修・補強」、路面や道路施設の「清掃」、路面の損傷や落下物への「緊急応急対応」、これに冬季は「積雪凍結対策」が加わります。
なかでも清掃は、普段の走行で支障が出ないように欠かせないものですが、首都高だけでも集められるゴミや土砂の量は年間で数千トンにものぼるといいます。
危険を伴う作業なだけに、どのような体制で行われていて、その頻度はどのように決まっているのか、首都高の担当者は次のようにいいます。
「機械による路面清掃は、4台体制を標準としています。先行車(2tダンプ)を先頭に、散水車、路面清掃車、標識車という体制で、連続移動しながら(首都高速道路上の)清掃作業を行っています」
4台体制で移動しながら路面のゴミ清掃はもちろん、トンネルの壁面なども清掃しているそうです。
ただし決まった時間に作業するのではなく、交通量や路面の状態に応じて適切なタイミングと判断された場合に出動しているとのこと。確かに日々の交通状況は変化しているわけで、それが交通量の多い首都高であればなおさら臨機応変に対応する必要があるということでしょう。
安全で円滑な道路交通環境を確保するために、日夜チリやゴミ・土砂・汚れなどを清掃しているわけですが、最も緊張感が走るのが「落下物の回収」です。これは清掃チームではなく、「緊急応急対応」専門の別チームが担当しているといいます。
ちなみに高速道路の清掃作業は、運営会社(首都高)の部署ではなく、実際は一般競争入札によって決定した受注者(清掃会社)が首都高と連携して行っているのです。
また、清掃作業に特化した車両としては、路面を清掃するための路面清掃車「スィーパー」、排水管や排水枡を清掃するための汚泥吸排車「バキューム車」、排水管を清掃する「高圧洗浄車」、トンネル壁面の清掃を担当する「多目的作業車」などが活躍しており、このような清掃作業は高速道路の運営に不可欠な作業といえます。
いつでも首都高をスムーズに走れるように清掃を続けてくれているわけですが、ドライバーとして心配になるのが「落下物」です。
トラックの荷台やバンの車外にくくり付けられた備品が落ちることがしばしばありますし、実際に走行中に落下物を見かけたことがある人もいるでしょう。
もし落下物やゴミなどを発見した場合は、どう対処したら良いのでしょうか。
「近くの非常電話から直接、またはスマホなど携帯電話から『#9910』(道路緊急ダイヤル)にかけ、自動音声ガイダンスに従って首都高の番号『1』をプッシュすると『交通管制室』へ通報できます。
通報を受けた『交通管制室』から最寄りの『交通パトロール車』に連絡し、落下物を回収します」(首都高担当者)
ちなみに落下物が交通パトロール車で回収できない大きさの場合は、別の回収車両が出動するそうです。
首都高では、「ほんの小さな気配りが落下物の減少につながります。荷物を積載されている車両のドライバーはSA/PAで定期的に点検していただき、積み荷がしっかり固定できているかを確認いただければ幸いです。また空荷のときも、荷台の小物が落下しないようにご注意をお願いいたします」と呼びかけています。
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今回は首都高に話を聞きましたが、ほかの高速道路会社もおおむね同じような体制で清掃活動をしているでしょう。
我々ドライバーとしては、とにかくゴミや落下物を出さないように、走り出す前にチェックするような習慣を身につけましょう。
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