なぜ「100万円以下」の軽自動車激減? 小型車と立ち位置逆転? 「安いクルマ」の代名詞が過去の物となった訳

かつては「安いクルマ」の代名詞であった軽自動車ですが、現在では乗り出し価格が300万円を超えるものも登場するなど、そのイメージは払拭されつつあります。そこにはどのような背景があるのでしょうか。

いまや250万円からも!軽自動車は「安いクルマ」ではなくなった

 かつて、軽自動車を選ぶユーザーのほとんどは、コンパクトカーなどの登録車と比べて車両価格が低いことを最大の理由としていました。
 
 しかし現在では、乗り出し価格が300万円を超えるものも登場するなど、そのイメージは払拭されつつあります。
 
 そこにはどのような背景があるのでしょうか。

ホンダ新型「N-BOX」(3代目・2023年秋発売予定)
ホンダ新型「N-BOX」(3代目・2023年秋発売予定)

 軽自動車が、戦後日本の経済復興を助けるための安価な移動手段として誕生したことを考えると、これは極めて自然な流れと言えます。

 その結果、軽自動車は機能や装備が簡素であることが多く、簡単に言えば「コンパクトカーを買う予算がないから軽自動車を買う」というユーザーが少なくありませんでした。

 しかし、現代では軽自動車のそうしたイメージは払拭されつつあります。

 たとえば、軽自動車販売台数ランキング上位を占めるホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」といったスーパーハイトワゴンでは、乗り出し価格が200万円を超えることも珍しくなく、装備内容によっては300万円に達することもあります。

 また日産の軽EVとなる「サクラ」は254万円からとなるなど、もはやコンパクトカーを超えた存在です。

 一方、これまで軽自動車と比較されることの多かったトヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」といったコンパクトカーを見ると、乗り出し価格は上に挙げた軽自動車と同等以下です。

 むしろ、ガソリン車を選べばコンパクトカーのほうが軽自動車よりも割安である場合もあります。

 そのため、「コンパクトカーを買う予算がないから軽自動車を買う」という図式はもはや崩れ去ったと言えます。

 逆に言えば、スズキ「アルト」やダイハツ「ミラ」、あるいは軽バンや軽トラックなどの商用車のように、経済性が最優先される一部のモデルをのぞけば、新車価格が100万円を下回る軽自動車はほとんどありません。

 そこにはインフレや原材料高騰などの影響もあると思われますが、現代の軽自動車の特徴は、必ずしも車両価格が低いことにあるわけではないと言えそうです。

 もちろん、維持費を含めて考えれば、軽自動車には多くのコストメリットがあるのも事実です。

 ただ、単に車両価格の低さを優先するのであれば、中古車を選ぶという選択肢もあります。 

 にもかかわらず、新車で高額な軽自動車を購入するユーザーが多い背景には、残価設定ローンや個人向けリースのような、月々の支払い額を抑えながら新車を手に入れる方法が浸透してきたことがあると言われています。

 より高額な新車を手に入れやすくなったことも、軽自動車の高額化の一因と言えそうです。

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